バンキングにおけるローコード/ノーコード:テクノロジーおよびプラットフォーム入門編
Abstract
アプリケーションに対する需要は、これを提供する開発者からの供給を上回るペースで増加している。ローコード/ノーコード開発の新たな時代を迎える中、従来型の開発が加速するだけでなく、ビジネスユーザーや市民開発者がアプリケーションの開発に貢献し、カスタマイズされたビジネスワークフローアプリケーションを構築することが可能になっている。
基本的に、ローコード/ノーコードの本質は抽象化と自動化にある。抽象化はあらかじめ構築されたビルディングブロックによって実現し、様々なユースケースで使用できるドラッグアンドドロップ機能をユーザーに提供する。自動化は基礎となるコードを作成、統合することによって実現し、プロセスの設計、構築、テスト、展開および管理を支援する。
ローコード/ノーコードの定義: |
あらかじめ構築されたビルディングブロックを活用することで、開発者だけでなくビジネスユーザーもアプリケーションの開発、統合、変更を迅速に行うことができるようにする開発手法。 |
ローコード/ノーコード開発はかなり前から行われていたが、テクノロジーとプラットフォームの成熟度が高まったことで、さらに容易かつ効果的にドラッグアンドドロップ開発を行うことが可能になった。適切な場所に配置されれば、これらのプラットフォームは強力なアクセラレータになる可能性があるが、金融機関はこれらのプラットフォームをどこで、どのように展開すべきか検討する必要がある。セレントは、次の2つの質問に焦点を当てている。すなわち、(1) このアプリケーションはどの程度ビジネスニーズに合っているのか、および (2) 構築したアプリケーションはどの程度差別化できているか?
セレントは、今後数年でローコード/ノーコードのエコシステムが急成長すると予想している。ほとんどの銀行にとって、パンデミック後のデジタル世界で競争力を高めるうえで、ローコード/ ノーコードのエコシステムからのメリットは大きい。本レポートでは、当社の顧客が抱えている多くの差し迫った問題を取り上げ、潜在的なユースケース、機会、ピットフォール、ベスト・プラクティスについて概要を説明する。
こうしたトレンドを実現するベンダーの詳細については、関連レポート「バンキングにおけるローコード/ ノーコード・プラットフォーム: 2021年スペクトラムレポート」を参照のこと。同レポートでは、プロバイダーについて分析し、機能、顧客基盤、戦略的なポジショニングなどの概要を示している。
本レポートで取り上げたベンダーは以下の通り。
3 Forge、Appian、Caspio、FlowForma、Innoveo、Intellect、Mendix、ServiceNow、SS&C、Veritran、Vermeg、WaveMaker