世界の勘定系システム市場の概要
Abstract
世界の金融機関は自社の商品やサービスのアップグレードを図り、激しい競争を勝ち抜くため、ここ10年間に最新の勘定系システムの導入に取り組んできました。銀行の間では、最新ソリューションの導入を通じて既存のシステム環境の制約を打ち破ろうとする動きが広がっています。勘定系システムの導入状況は地域によって差があり、最も進んでいる国では既に10年からレガシーシステムからの転換に取り組んでいます。
セレントの最新レポート「世界の勘定系システム市場の概要」は北米、西欧、中南米、アジア太平洋、東欧・中東・アフリカの地域ごとに市場の概要をまとめ、各地域における有力ベンダーの市場シェアを予測しています。具体的には、銀行を預かり資産残高(10億ドル未満、10~200億ドル、200億ドル超)によって3つに分類し、それぞれのカテゴリー別に、また、システムの平均価格と実際の導入コストを地域別に比較し、市場全体の規模の推移も予測しています。
世界で進行している勘定系システムの導入案件は、その規模、価格およびシステムの機能に大きな違いがあるため、市場を評価するのは簡単ではありません。セレントの最新レポートでは、世界のトップ500の銀行が進めている勘定系システムの更新プロジェクトの総コスト(保守管理コストと新規導入コストを含む)に注目し、そのデータを元に分析しました。同市場全体に占める大手銀行の割合が大きいからです。2011年の市場規模は約48億ドル(約3945億円)と推計され、2013年末までには51億ドル(約4192億円)に拡大するでしょう。
「金融危機を乗り越える過程で銀行はIT投資を縮小してきましたが、ここにきて回復の兆しがみられます。勘定系システムの全体的な導入件数は2010年に比べやや減少しましたが、1件当たりの契約金額は増加し、この分野の今後の見通しも明るいといえるでしょう」と、セレント銀行グループのアナリストでレポート共同執筆者のステファン・グリアーは述べています。
レポートでは北米、西欧、中南米、アジア太平洋、東欧・中東・アフリカの各地域の市場の概要を述べ、銀行の預かり資産残高と地域別にシステムの平均価格と実際の導入コストを比較しています。最後に、コスト、手数料体系、地域のニーズ、市場価値に基づいて勘定系システム市場全体の規模を予測しています。