よりタイムリーでより包括的なパフォーマンス報告の実現:米大手ウェルスマネジメント会社のケーススタディ
A Case Study of a Large US Financial Institution
Abstract
顧客サービスの向上により顧客定着率の向上、投資可能資産(wallet)に占める受託資産残高のシェア拡大、新規顧客および資産の獲得を実現するにはどうすればいいのでしょうか?ポートフォリオおよび投資データと分析を組み合わせることで、アドバイザーも顧客も過去のパフォーマンスと将来の計画を明確に把握できるようになります。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | どうすればアドバイザーや投資家によりタイムリーに報告を行えるか? |
2 |
金融機関はバックオフィス業務の改革をどのように管理すればよいか? |
3 | プロジェクトを成功に導くカギは何か? |
本レポートは、顧客であるアドバイザーと個人投資家へのパフォーマンス報告を改善した米大手ウェルスマネジメント会社のケーススタディを紹介しています。同社はプロジェクトの目的として、コスト削減を実現しつつ、報告プロセスの質とタイミング、データアクセスおよびデータの質を大幅に改善することを掲げました。同社のケーススタディは、口座データの集約およびパフォーマンス分析をリアルタイムで行うことの重要性に加え、こうしたツールがウェルスマネジメントの業務プロセスを変革する上でいかに有効であるかを示しています。
「多くの金融機関はアドバイザーや顧客に投資商品やポートフォリオに関する最新情報を提供するため、パフォーマンス報告システムのアップグレードへの投資を進めています。中には、プラットフォームを再設計し、報告機能を一新してリアルタイムかそれに近い報告を行うことを目指しているケースもあります。より包括的な報告(外部保有資産を含む)を実現したいならば、社内システムとカストディアンなど第三者のシステムに保管されている顧客および取引データを集計できる、優れたデータ集約ツールを備える必要があります」とセレントのウェルスマネジメントプラクティスのリサーチ・ディレクターでレポートを執筆したイザベラ・フォンセカは述べています。
金融機関は、顧客の情報およびデータに対する「アクセス権」を与えられています。本レポートでは、グローバル・インスティテューショナル・コンサルティング(GIC)がRage Frameworksの協力を得て、データ集約およびパフォーマンス報告プロセスを変革し、アドバイザーと顧客に対してよりタイムリーな報告と優れた分析を提供できるツールを開発した過程を紹介しています。より高度なサービスの提供によって既存顧客を維持し、新規顧客および資産を獲得するために、これらのツールは競争上の優位を確保する上で有効といえるでしょう。