2008年 中国保険市場とテクノロジーの概要
Abstract
中国では急速な経済成長と所得拡大に伴い、保険に対するニーズが高まっています。年金および医療保険制度の改革により、商業保険の開発が幅広く進められるようになっています。
中国の保険会社の間では、中国の保険会社の間では、ITが競争力向上に重要な役割を果たすとの認識が広まっており、IT投資により多くのリソースを投入す るようになっています。2008年から2010年にかけて、中国の保険市場は持続的かつ急速な発展を続け、成長率は年20%前後に達すると予想されます。 セレントの最新レポート「2008年 中国保険市場とテクノロジーの概要」は中国の保険市場全体のトレンドと業務を明らかにするとともに、保険会社のIT投資について分析しています。
中国の保険市場では シェアに偏りがみられ、生命保険分野では市場シェアの40%以上を国内保険会社が占めており、上位5社のシェアは84%に達しています。生命保険会社は保 険料分割払い(一括払い保険料ではなく)の定期生命保険の比率を引き上げるため、事業構造の段階的な見直しに着手しています。
中国では損害保険分野でもシェアの集中がみられ、中国人民財産保険(PICC)が市場シェア40%を確保しています。また、上位5社が市場全体の76%を 支配しています。外資系や外資との合弁による保険会社の市場シェアは低く、生命保険では8%、損害保険ではわずか1%を占めているにすぎません。
「中国の保険会社の多くは、なおインフラの構築段階にあります。保険会社のIT投資総額の50%以上はハードウェア、広域ネットワーク、インターネットア クセス、電話その他の通信インフラに向けられています。今後のIT投資は、業務処理システム、データウェアハウス、ビジネス・インテリジェンス、顧客関係 管理システムを強化するための投資が中心となるでしょう」とセレントのシニアアナリストでこのレポートを執筆したウェンリ・ユアンは述べています。
中国国内の保険会社は、業務処理システムを強化するための投資を拡大すべきでしょう。一方、外資系または外資との合弁による保険会社は、市場シェアの拡大を加速させるため販売チャネルの拡充に努める必要があると思われます。
本レポートは4表と25図を含む全42ページで構成されています。