コーポレートバンキングのカスタマーエクスペリエンス強化戦略:対面チャネルの将来像
2017/01/09
スーザン・ファインバーグ
Abstract
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 対面チャネルは、なぜ今もカスタマーエクスペリエンスの重要な要素なのか? |
2 |
カスタマーエクスペリエンス向上につながる戦略とは? |
3 | 銀行は対面チャネルでどのように差別化を図っているか? |
コーポレートバンキングの利用者を対象に調査を行ったところ、銀行に対する満足度はかなり低いことがわかりました。利用者はコーポレートバンキング・アプリケーションにも、自らが消費者として利用するアプリケーションと同じような使いやすさと利便性を求めているからです。
顧客は対面以外のサービスチャネルを利用しているにかかわらず、その大部分はいまだ対面チャネルで日常のやり取りを行っています。そこで、縦割りになっている業務を簡素化・統合し、安全性と利便性を高めることが銀行の重要な戦略になっています。銀行が差別化を図るためには、各顧客にあわせたカスタマーエクスペリエンス提供、データの拡充、新たな決済サービスへのアクセス、キャッシュマネジメントをめぐる中小企業の新規ニーズに応える明確な戦略を打ち出さなくてはなりません。
「コーポレートバンキングのデジタル化に関する総合的な戦略を策定しないまま、デジタルチャネル戦略の成功をめざすのは得策ではありません。 現時点で、対面型デジタルチャネルをカスタマーエクスペリエンス拡充に向けた、広範なデジタル化プロジェクトの一環に組み入れるのか、コーポレートバンキング・ポータルを確立するのか、いずれを選択するかによって、コーポレートバンク顧客の獲得・保持に大きな差がでるでしょう」と銀行プラクティスのシニア・アナリスト、スーザン・ファインバーグは述べています。