2016年 北米の生命/年金/医療保険向け新契約/引受システム: ABCDベンダービュー
Abstract
本レポートは、北米の生命保険会社に広く採用されている新契約引受システムを評価し、ランク付けしています。評価ツールとして用いたセレントの「ABCDベンダービュー」は①テクノロジーの先進性②機能の幅③顧客基盤④顧客サービスの拡充度―の4つのカテゴリーでベンダーを評価・ランク付けするもので、カテゴリーごとに「XCelent」アワード の受賞者を選出します。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 生命/年金/医療保険の新規申請および引受けシステムとは? |
2 |
北米市場にはどのベンダーが進出しているか? |
3 | 2016年のXCelentアワードを受賞した生命/年金/医療保険の新規契約/引受システムは? |
本レポートは、この分野のシステムを手掛ける14のプロバイダーを紹介しています。各ベンダーへの調査に基づき、このうち7つのベンダーをXCelentアワードの受賞候補に認定しました。
景気の低迷が続く中、生命保険の申請件数は伸び悩んでおり、保険会社は申請手続きや証書発行に係るコストの削減に強い関心を示しています。
新規申請案件をストレート・スルー・プロセッシング(STP)で処理できるようにするには、新規申請および引受け機能の自動化が不可欠です。保険会社はシステムの導入により単価の低減と利益率の向上を図り、成長・サービス・販売目標を達成し、新規案件1件当たりのコストを削減するためにはこうしたプロジェクトが必要といえるでしょう。
自動引受けシステムの歴史は30年近く、今では柔軟性が向上し保険会社が引受けのルールやワークフローを定義・設定できるようになっています。多くのシステムには電子申請機能が含まれているか、統合されています。アプリケーションから得たデータに基づき、再度の質問を投げかけたり、リスククラスを特定したりすることができます。第三者機関からの医学的要件の収集作業は高度に自動化され、第三者のデータが既定ルールの対象範囲外である場合にはリスク警告が提示されます。また、データ入力のポイントや引受けに関する意思決定も下されます。
「新規申請および引受けの自動システムに対する関心は高まっています。この分野の最新のシステムは設定可能なルール、第三者データの評価、高度な案件追跡機能を提供しています。コスト削減を目指すならば、新規申請手続きの自動化は検討に値するでしょう」とセレント保険プラクティスのシニア・アナリストでレポートの共著者であるコリーン・リスクは述べています。
「このようなシステムを導入すれば、保険金額が小額で対象年齢が比較的若い医療保険以外の商品や中間層をターゲットとする商品の引受け手続きを自動化することが可能です。それでも、保険会社は引受けの意思決定を自動化することにはいまだなかなか踏み切れないでいるのが現状です」とアナリストでレポートを共同執筆したカレン・モンクスは指摘しています。