中小企業向けRDCをめぐるビジネスチャンス:新製品が全てを変える
Abstract
コストの嵩む支店での取引をデジタルチャネルに移行することを目指す銀行にとって、重要顧客である中小企業向けに適した製品がようやく登場し始めました。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 銀行にとって中小企業向けRDCの重要性が増しているのはなぜか? |
2 |
これまで普及を阻んできた要因は何か? |
3 | 新たなベンダーソリューションは状況をどう変えたのか? |
支店チャネルの効率性と有効性の向上を図る銀行が増えるなか、日常取引をデジタルチャネルに移行できるかどうかがカギとなっています。この取り組みは個人顧客に関してはかなり進んでいるものの、中小企業向けはさほど進展していません。中小企業は個人顧客よりも支店への来店回数が多いことから、この間隙を埋めることは重要です。セレントが中小企業を対象に行った調査によると、小切手による預け入れのために地元の支店まで頻繁に足を運ぶと回答した企業が大多数に上りました。中小企業の間でリモート・デポジット・キャプチャー(RDC)の利用が広まれば、こうした取引を低コストチャネルに移行することが可能になるでしょう。
RDCは、今や財務管理においてなくてはならない製品となっています。個人顧客を基盤とする米銀であればどこでも、専用の小切手スキャナー機能を備えたデスクトップソリューションを導入しています。同様に、顧客の間ではモバイル向けRDC(mRDC)の利用が爆発的に広がっています。一方、中小企業向けはさほど期待の持てる状況にはありません。製品のコストや複雑さに加え、利用資格制限があるため、多くの銀行が販売を拡大できずにいます。中小企業にとって従来のデスクトップ型製品は費用が掛かりすぎ、一方で個人顧客用に設計されたmRDCはニーズに合致していません。新たに投入されたベンダーソリューションは、銀行が中小企業向けRDCの販売機会を捉えるために必要な機能を備えているといえるでしょう。
「新しい支店のデザインは、取引のために多くの顧客が来店することを想定していません。そこで銀行は顧客がデジタルチャネルを通じて便利に取引できる方法を提供する必要があります。支店を訪れる中小企業のうち約70%が窓口で預け入れを行うなか、必要とされているのは中小企業に適した低コストで販売しやすいmRDCソリューションなのです」とセレント銀行プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したボブ・メーラは述べています。
レポートではまず、銀行が顧客のニーズに対応し、支店の取引をデジタルチャネルに移行する上で、中小企業向けRDCがカギを握っている理由、これまで中小企業向けRDCの普及を阻んできた要因、最新ソリューションが市場のビジネスチャンスに劇的な変化をもたらす可能性、ソリューション市場の現状について解説し、最近市場に投入されたmRDCソリューションを比較しています。
本レポートは14図と3表を含みます。