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損害保険の再保険リスク譲渡分野におけるテクノロジー戦略

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2004/02/04

Abstract


保険業界においては、IT投資が再保険分野に振り向けられるケースは極めて少ないといえます。その結果、同分野はテクノロジー面の課題を抱えるばかりか、財務内容が悪化し、剰余金の確保さえ難しい状況に陥っています。セレントの推計では、新たなIT戦略やソリューションを導入することで、再保険業界全体の再保険回収金は年間2~4%(4.2~8.4億ドル)程度増加すると考えられます


再保険事業は保険事業の中でも特に長い歴史を持つ分野です。再保険の業務慣行は、リスクを譲渡する側(元受け)と再保険引き受ける側が最大限の相互信頼の下に交渉を行い、しかも口頭や書面、あるいは単なる握手によって取引が成立するという特殊な環境の下で確立されたものが多いのです。

セレントの最新レポートは、最近の世界の再保険市場動向をまとめたうえで、現在再保険サイクルのどこでどのような問題が発生しているのか、これらを解決するためにどのようなソリューションを採用すべきなのかについて論じています。特に、再保険業務のうち①再保険契約締結と契約管理、②保険金請求および回収業務、③報告書作成、分析、プログラム設計、について詳しく取り上げています。

セレント保険グループのシニアアナリストで本レポートの著者でもあるドナルド・ライトは、「既存のテクノロジーを導入することで、リスクを譲渡する企業は財務内容を大幅に改善することができます。仮にすべての保険会社が再保険システムの導入と業務プロセスの改善を実行すれば、業界全体の再保険回収額は年間2~4%(4.2~8.4億ドル)程度増加すると考えられます」と述べています。

「リスクを譲渡する会社がシステム導入のためのプロジェクトを立ち上げる際に最初にやるべき作業は、現在の業務プロセスの問題点とシステム導入に伴う投資リターンをきちんと査定することでしょう」とライトは付け加えています。

リスク譲渡会社が導入可能なテクノロジーは5つのカテゴリーに分けられます。すなわち、①再保険総合ソリューション(再保険業務全般をカバーする機能を提供)、②契約管理システム(リスク譲渡業務特有の機能を含む)、③ポイント・ソリューションおよびビジネス・プロセス・アウトソーシング(ビジネス・インテリジェンスなど限られた分野に適用)、④コンポーネント(ビジネス・ルール・エンジンなど)、⑤標準システム(再保険用ACORD基準など)です。

レポートでは、これら5つの分野を検証し、ケーススタディとしてネーションワイド・インシュアランスを取りあげています。また、再保険会社とシステムベンダーに向けて独自の提言を行なっています。

本レポートは6つのグラフと図表を含む24ページで構成されています。