米国におけるカードプロセシングプラットフォームの現代化: デジタルトランスフォーメーションの事例
Abstract
2019年、FISとWorldpay、FiservとFirst Data、Global PaymentsとTSYSという一連の巨大合併により、世界のカード/ 決済処理の状況は大きく変貌した。こうした出来事は各社にとってカード/ 決済処理テクノロジーおよび機能の最新化と強化に向けた投資を加速させる起爆剤となった。今回は米国におけるカード/ 決済処理プラットフォームの変革に向けた、FIS、Fiserv、TSYSの取り組みについて紹介する。
- FISのPayments One
- FiservのOptis
- TSYSのIssuer Processingプラットフォーム
従来のカード/ 決済処理業者は、そのサイズと豊かな歴史からして「レガシーな恐竜」と軽蔑的に言及されることもある。しかしこれらの企業と定期的に話し合ってきた私たちには、彼らがただ立ち止まっていたわけではないことが分かる。懸命に自己変革を続け、フィンテックのほか従来のイシュア―との取引に成功してきた。こうした変革の取り組みについて「なぜ、何を、どのように」をもっと深く知りたいという私たちの思いが、今回のリサーチに至った主な理由である。
レポートは、FISのPayments One、FiservのOptis、TSYSのIssuer Processing Platformの3つの詳細なプロファイルを中心としている。各プロバイダーはそれぞれ独自の戦略に従っているが、3社全体を見渡してみると、こうした変革の取り組みの推進要因、アプローチ、焦点の理解に役立つ5つのテーマが見えてくる。次の図を参照されたい。
3社はいずれも、まだプロジェクトを完了しておらず、プラットフォームのさらなる強化と最新化に向け投資を継続するだろう。もしカード発行に関連する新機能を求めているならば、FIS、Fiserv、TSYSを「レガシープレーヤー」などと見てはいけない。この数年で彼らがどう変革してきたかを詳しく知れば、きっと良い意味で驚かされることだろう。