サプライチェーン・ファイナンス・サービス のビジネスモデル
Abstract
(このレポートは2008年7月8日に"Business Models for Supply Chain Finance Services"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版が2009年2月13日に発行されました。)
銀行は、企業のサプライチェーン戦略を支援するという役割を担っています。 銀行は、サプライチェーン管理のエコシステム全体を既存の財務サービスと抱き合わせるプロセスとして捉える必要があります。
セレントの最新レポート「サプライチェーン・ファイナンス・サービスのビジネスモデル」は、銀行の多くが、バイヤー主体の財務サービスを通じてサプライヤーの運転資本比率の向上を支援する従来のトレードファイナンスの概念にいまだ縛られている現状を検証しています。 銀行が「サプライチェーン・ファイナンス(SCF)・サービス」として喧伝しているものは実際には「サプライヤー・ファイナンス・サービス」であり、バイヤー主体の業務プロセスに沿って構築された電子プラットフォームで買掛金(および比重は低いが売掛金)に関する財務サービスを提供することが主流となっています。 本レポートは、テクノロジー(プラットフォーム)、サービス、アプリケーション、コンテンツ、契約上の規定、財務対応を組み合わせたSCFソリューションのアーキテクチャに焦点を当てています。
レポートではまず現在銀行が提供しているサービスの概要を示し、真の「サプライチェーン」ソリューションはサプライチェーン管理に関わるあらゆるプロセスを網羅する必要があるという点を証明しています。 次に、SCFソリューションの基本的な構成要素を定義し、さらに、SCFサービスの提供が実際のビジネスチャンスにつながるかどうか考査しました。 現行のB2Bと連携したサービスプラットフォームを構築することは、方向性やアイデアという点で有効といえるでしょう。
「レポートの最後では、先行プレーヤーが現在市場に投入しているソリューションを詳細に分析しています。これらが銀行業務に進化をもたらすのは時間の問題でしょう。 そのためには、銀行がサプライチェーンを正確に「把握」する方法を見つけ、SCFの実装をサポートする最適なパートナーを特定することが先決です。
「銀行は、電子請求書を主体とする財務サービスの基本機能にその他のサービスを追加できるようなビジネスモデルを確立する必要があります。 セレントは、今後5年間でクロスボーダーの複雑な調達・貿易を行う企業向けの新サービスが次々に誕生するとみています」 とセレント銀行プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したエンリコ・カメリネッリは述べています。
本レポートで取り上げたベンダーおよび銀行は、GSCF、BNP、スタンダード・チャータード、ロイズTSB、Nordea、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、シティグループ、サンタンデール、ラボバンク、RBS/ABN、Unicredit、ドイツ銀行です。
レポートは1表と21図を含む全70ページで構成されています。