暗号通貨デリバティブ
2019/11/28
ビットコイン市場において機関投資家向けテクノロジーが登場
Abstract
暗号通貨デリバティブに関するセレントのレポートシリーズは、今回のパート3と次回のパート4をもって完結する。ここにきてビットコインをはじめとする暗号通貨に機関投資家の資本が流入し始め、流通が本格化したことで、この分野には多くのビジネスチャンスが生まれている。
一連のレポートでは、市場参加者のリスクヘッジを可能にするデリバティブ商品の新規開発で用いられているブロックチェーン・ネイティブの指標を取り上げてきた。中でも注目しているのは、2020年5月に訪れるとみられる「ビットコイン半減期」である。
また、規制の対象になっていないP2P暗号通貨デリバティブの取引所が商品や市場構造にもたらすイノベーションについても取り上げてきた。その代表は、無期限スワップ市場を開拓したBitMEXである。この商品は流動性が高く、世界中のトレーダーの間で取引が盛んに行われていることから、競合する多くの取引所が取り扱うようになっている。
「ビットコインのスポット市場は、市場操作の懸念が払拭しきれていないこともあり、今後も細分化された状態が続くだろう。そのため、ビットコイン先物取引の現物決済が可能になったことは、ビットコインの普及発展に向けた重要な節目といえる。暗号通貨デリバティブ市場は、新たなアセットクラスとして最大かつ最も革新的な分野の1つになると期待される」と、セレントのデジタル・アセット・リサーチを統括するジョン・ドゥワイヤーは述べている。