モノのインターネットが損害保険の固定費に及ぼす影響【抄訳版】
Abstract
(英文レポート"Can a Fixed Cost Property/Casualty Industry Survive the Internet of Things?"の重要部分を抽出し翻訳しました。)
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 保険金および保険料の減少に伴う影響を受けやすいのはどの分野か? |
2 |
保険費用のうち固定費の占める比重が大きいものは何か? |
3 | IoTが保険料、固定費および利益に及ぼす影響に対処するにあたり、保険会社にはどのような選択肢があるか? |
セレントは、モノのインターネット(IoT)の普及によって保険金および保険料が減少すると、主に損害保険会社の固定費にどのような影響を及ぼすのかに注目し、損害保険会社がこうした問題を軽減するための5つの戦略を示しています。
保険の分野にかかわらず、保険金の減少(または増加)が長期間続けば、いずれは同様のリスクに対して課される保険料率の低下(または上昇)につながりかねません。こうした増減は比較的小幅であるケースが多く、価格設定アルゴリズムと保険料は新たな均衡状態に移行します。
しかし、複数の保険分野で保険金が減少する傾向が複数年にわたって続いた場合、何が起きるでしょうか。こうした動きが定着すると、当初の均衡レベルは押し下げられ、新たな均衡状態に落ち着くまでこうしたプロセスが繰り返される可能性があります。
本レポートでは、IoTの普及によって複数の保険分野で保険金(および保険料)が持続的に減少した場合、短中期的に保険会社にどのような影響が及ぶのかを検証しています。
「損害保険会社が収入または利益のいずれか、あるいは(多くの場合は)その両方を維持することを望んでいる場合、現時点で目の前にある選択肢はいずれもその実現を容易にする、あるいは保証するものではありません。具体的には、買収によって事業規模を維持する、事業規模を縮小する、大部分を変動費にする、全て変動費にする、保険 プラス IoTに対応可能な安全で確実な保険契約者をバンドル化する、などです」とセレント北米損害保険プラクティスのディレクターでレポートを執筆したドナルド・ライトは述べています。