2007年 保険会社向け文書自動化システムベンダー調査
Abstract
文書自動化システム業界が成熟化するにつれ、多くのベンダーが同等な機能を提供するようになっています。これは顧客にとっては喜ばしい展開ですが、選択が難しくなる可能性があります。保険会社はベンダーを選ぶ前に、文書自動化システムをどのように使用するかについて考える必要があるでしょう。
文書自動化とは、社外とのコミュニケーションで使用する書類を自動的に作成することです。保険のプロセスの各段階で発信・受領するコミュニケーションの大半でまだ紙を使っているため、書類作成を簡便化する自動化ソリューションは保険会社CIOが最優先事項のひとつに掲げるものです。セレントは最新レポート「2007年保険会社向け文書自動化システムベンダー調査」で、ベンダー11社とそのソリューションを検証しました。
ここ数年で多くの文書自動化ソリューションが同等な機能を持つようになってきました。今ではほぼ全てのベンダーがテンプレートのデザインにWYSIWYG(What You See Is What You Get:画面に表示された通りのものを文書として出力できる)のインターフェースを採用し、アドホックとバッチ処理の機能も備えています。より細かいレベルでは、多くのベンダーは書類の一部分を抜き出してテンプレートを作れるようにしており、コンテンツ作成者は一度テキストブロック、ルール、ロジックを作ってしまえば、それを複数のテンプレートに再利用することができます。
サービスオリエンテッドアーキテクチャ(SOA)が多くの保険会社のテクノロジー計画で重視されるようになり、本レポートで紹介される全てのベンダーはSOAに力を入れ、Javaおよび/または.NETを使用して最初からソリューションを構築するか、ウェブサービス・ラッパーを提供しています。
「ベンダーは顧客に書類作成戦略全体の再考を促すようなソリューションを提供しています。今までとは異なる書類作成プロセスを顧客にもたらし、電子書類をいったん印刷してしまった後でも再利用できるようになりました。文書処理ソリューションは今後も発展し、書類というものの概念を広げていくでしょう」とセレントのシニアアナリストでレポートの共同執筆者ジェフ・ゴールドバーグは述べています。
レポートではセレントの独自ツール「ABCDベンダービュー」を使ってベンダーを評価しています。これは①テクノロジーの先進性、②機能の幅、③顧客基盤、④顧客サービスの充実度という4つの要素に基づき、各ベンダーの市場における相対的な位置付けを示すものです。これは単純な四象限図とは異なり、右上に位置するソリューションが必ずしも最善であるとは限りません。各保険会社は、機能の幅、テクノロジー、実績、顧客サービスの中で、何が自社にとって最も重要な要因なのかを見極め、レポートで紹介したベンダープロフィールと比較表を参考に独自のショートリストを作成するべきでしょう。ABCDベンダービューで評価の対象としたのは、詳細なプロフィールを紹介したベンダーのみです。
全59ページのレポートには11の詳細プロフィール、5つの図と11の表が掲載されています。