米国のモーゲージローン・オリジネーション市場に変化の波
2011/04/29
プラティマ・ラジャン
Game Change
Abstract
米国の一部のモーゲージ・オリジネーターにとって、金融危機は大きな転換点となりました。規制改正に伴い、市場参加者の役割は変化しました。こうした変化は銀行には恩恵をもたらしていますが、証券会社にとっては不利に働いている面があります。
セレントの最新レポート「米国のモーゲージローン・オリジネーション市場に変化の波」は、モーゲージ市場の新たな規制について検証しています。新規制の施行を受けて様々な認可基準が導入され、証券会社は生き残りに必死になっています。一方、銀行やオリジネーターは市場での位置付けがより有利となり、成長が見込まれています。
市場プレーヤーが優先順位の設定や市場シェアの獲得を目指して奮闘するなか、テクノロジーベンダーの間では金融危機による影響が連鎖的に広がっています。取引件数の減少に伴い、モーゲージの貸し手は投資リターンの最大化を目指すようになりました。また、新規制は銀行の標準化を促しており、その結果、貸し手は独自の要件に基づくカスタム開発のシステムから、より統合されたプラットフォームへの移行を進めています。
「テクノロジーベンダーは規制が定める標準に対応するだけでなく、与信記録の内容が悪い顧客向けにプロセス変更の可能な統合ソリューションを継続的に提供していく必要があります。しかも、これをマルチバーティカルな単一プラットフォーム上で動作することが必要になります」と、セレントのアナリストでレポートを執筆したプラシマ・ラジャンは述べています。
証券会社は販売チャネルとしてはコスト高になっています。顧客はスマートフォンを使ってモーゲージローンの申請をしたり、インターネット・電話を使って直接銀行から融資を受けたりする方法をより選好しています。