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米社債の電子発注システムがもたらす市場構造の変化:注目のイノベーションシリーズ

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2013/03/21

Electronic Order Books Herald a New Market Structure

Abstract


米社債の取引規模が縮小しつつあるなか、機関投資家を顧客に持つトレーダーの間では電子発注システム(EOB)を使ってワークフローや流動性追求を補完しようとする動きが広がっています。EOBは個人投資家向け市場をターゲットとしたものが多いものの、先進的な高機能を備えており、今後バイサイドの機関投資家の間では、社債の保有残高を縮小しつつあるディーラーに代わってEOBを導入する事例が増えるとみられます。

セレントの最新レポート「米社債の電子発注システムがもたらす市場構造の変化」は、米社債市場の電子取引とこれに関連するベンダーのエコシステムをめぐって起こりつつあるイノベーションについて詳しく分析しています。電子取引に関しては、特にディーラーの間で「右にならえ」的な動きも見られるものの、マルチディーラーシステムやATSの分野では独自の価値提案を行う革新的なプラットフォームが出現しています。

最新のEOBはバイサイドの取引フローを補完する機能を提供するため、短期的には導入件数が拡大する可能性があります。しかし、競争に勝ち残るのは至難の業といえるでしょう。単一の市場セグメントに引き続き特化する、ターゲットを特定の顧客に限定するといった方法で生き残りを目指すケースみられるでしょう。また、EOBのターゲットとなる市場も多様化しています。取引規模の縮小に伴って機関投資家と個人投資家向け市場の区別はあいまいになるとみられ、トレーダーはEOBを通じた取引の比重をさらに増やすとみられます。

「利用可能な選択肢や接続性/集約性/スマート・オーダー・ルーティングに特化するベンダーの存在がより広く認知されるようになれば、EOBの導入は加速するはずです。EOBが補完的市場から事実上の市場へと転換するか否かは、最終的に、米社債の最良執行というカルチャーがバイサイドまで浸透するかどうか、さらには監督当局がそうしたシフトを促す指導を行うかどうかによるでしょう」と、セレント証券グループのリサーチディレクターでレポートを執筆したデビット・イーストホープは述べています。

本レポートは18p、1図と3表で構成されています。