商業用ローンに於けるデータドリブンのトレンド:融資受付けから資金入金までの時間を短縮:入門編
2022/07/28
Abstract
商業用ローンの組成と引受のプロセスは、20年前から変わっていないように見える。まず見込み客を開拓し、融資の依頼が具体化したら、顧客の信用および財務状況を分析し、融資案件の構築と承認書類の作成・見直しを経て、最後にローン契約を締結してローンサービシングシステムに計上するといった流れである。
現在はテクノロジーが進歩したことでデータの量と範囲が拡大し、これまで以上に借り手企業に関するインサイトを得ることができるようになった。しかし、どのデータソースを利用すべきなのか?どのように業務に適したツールを選択するのか?データ駆動型のトレンドが商業用ローンの組成に大変革をもたらし、融資を受け付けてから資金を入金するまでの時間が短縮される。
データ、アナリティクス、イネーブリング・テクノロジーは、変革に向けたプロジェクトの成功に不可欠であり、銀行が再プラットフォーム化のメリットと事業の成果を最大化する上で役立つ重要なコンポーネントである。一方、銀行は大規模な最新化プログラムを実施する必要はなく、データ駆動型の戦略・戦術を活用してアナリティクスの成熟度を高めることができる。最終的な目標は、クリーンで包括的なデータソースを備えた戦略的システム上で、顧客と彼らのローンをゆりかごから墓場まで管理するためのテクノロジー、ワークフロー、プロセスをシームレスに統合することである。ほとんどの銀行は、まだ多くのやるべき作業を抱えている。