2012年 リテールバンキング人員最適化ソリューション:支店の効率化に有効か?
Abstract
支店の効率性の向上を目指す意欲さえあれば、銀行は簡単な方法で1店舗当たり年間20,000~30,000ドル相当のコスト削減を実現できます。
人員最適化(WFO:Workforce optimization)ソリューションは以前からあるコンセプトですが、リテール業務で同ソリューションを採用している金融機関はごく一部にすぎません。これは世界的な傾向ですが、特に米国では、WFOソリューションを使ってブランチチャネルを管理している金融機関は約460と全体の3%程度にとどまっています。しかも、その大半を大手銀行が占めています。
セレントの最新レポート「2012年 リテールバンキング人員最適化ソリューション:支店の効率化に有効か?」はWFOソリューションのメリット、金融機関にとっての導入効果、この分野に参入しているベンダーの概要について説明しています。
セレントは以下の3つの理由から、リテールバンキングにおけるWFOの導入は急速に拡大するとみています。
- リテールバンキングのビジネスモデルは減収に伴う見直しを迫られており、特にブランチチャネルのコスト削減が重要な課題になっている。
- WFOソリューションの利用はこれまで大手金融機関に限られていたが、今やSaaS(サービスとしてのソフトウェア)として広く普及しており、導入コストが低減されているほか、社内でのノウハウ蓄積も必要なくなっている。
- ここ1年で、WFOソリューションベンダーはSaaSソリューションとターンキーサービスをパッケージ化し、コスト削減と簡素化をさらに進めている。この結果、中小の金融機関もWFOの導入にこれまでより前向きになっている。
「金融機関は規模の大小にかかわらず、コスト削減と支店の収入拡大およびサービス効率化を実現するよう強く求められています。しかし、人員最適化は比較的簡単な手法であるにもかかわらず、実践している金融機関は少数にとどまっています。こうしたソリューションを導入した金融機関では大幅な効率性の向上に加え、支店業務に対する理解が深まるといったメリットも得られています」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したボブ・メーラは述べています。
レポートでは、2011年11月に発行した同名レポートの内容を更新する一方、2012年7月に北米の金融機関を対象に行った直近の調査結果を分析し、ベンダーの最新動向を明らかにしています。特に、直近のソリューション導入状況を詳しく紹介し、2012年に入ってからの動きとしてVerint SystemsによるGMT Corporationの吸収合併について取り上げています。レポートではまず、リテールバンキングの「ニューノーマル」について簡単に説明し、ブランチチャネルの変革を加速する要因を挙げ、その影響が持続するとの見方を示しています。次に、人員自動化ソリューションの定義と背景を説明しています。さらに、2つのケーススタディを通じて、WFOソリューションの導入によってブランチチャネルの効率性を大幅に改善した事例を検証します。最後に、WFOソリューションを手がける主要ベンダーの特徴を明らかにし、業界の動向を紹介しています。
本レポートは37p、25図と10表で構成されています。