エンベデッド・ファイナンスのウェルスマネジメント業界への影響
2022/03/06
ウェルスマネジャーが知っておくべきこと
Abstract
エンベデッド・ファイナンスは、顧客が金融商品と関わる方法を再構築し、銀行、保険会社およびウェルスマネジャーが提供するツールやサービスの販売拡大をもたらしている。これは、今後数年にわたって金融サービスの提供に大きな影響を与えることになる重要かつ新たなトレンドであり、既存の販売モデルに破壊的変化をもたらす可能性がある。しかし、エンベデッド・ファイナンスという言葉は、特にウェルスマネジメント業界ではよく理解されておらず、一貫性のない利用が混乱を招き、議論の進行を困難にしている。
ウェルスマネジメントスタックのアンバンドル化
エンベデッド・ウェルスと、より幅広いサービスのエンベデッド・ファイナンスにどれほど大きな機会があるのか、そしてこれらがウェルスマネジメント業界にどれほどの変化をもたらすのかは、まだ不明である。多くのテクノロジーの進歩で見られたのと同様に、この業界でも「パートナーシップ」と、「既存企業対チャレンジャー企業の戦い」の両方が起こると当社は考えている。いずれの方向に行くにせよ、ウェルスマネジメント業界をはじめとする、より広範な金融サービスのエコシステムで徐々にオープン化が進んでいることは明らかである。各社は、好機を捉えると同時に脅威に対応するために、自社の戦略を明確にし、金融サービスのエコシステム内でどのような役割を果たしたいのかを決定した上で、エンベデッド・ファイナンスの導入計画を策定する必要がある。