リスクガバナンスと役員会:危機後の業務/IT プライオリティのための指針
Abstract
(このレポートは2009年9月29日に"Risk Governance and the Board: Actions to Ensure a Tight Reign on Post-Crisis Business and IT Priorities"というタイトルで英文で発表されましたが、日本語版を2010年3月24日に発行しました。)
金融危機下における銀行の業績は、役員会がリスクマネジメントにどの程度の関心を向けてきたかによって大きく左右されます。役員会がリスクマネジメントに多く関与してきた銀行ほど回復は早く、行政の大規模な介入なしに金融危機を乗り越えることができました。
行政や規制当局、投資家から、リスク、コンプライアンスおよびガバナンスの抜本的な改革への要求が相次ぎ、金融機関はかつてないほど緊迫した状況に置かれています。セレントの新規レポート「リスクガバナンスと役員会:危機後の業務/ITプライオリティのための指針」ではリスクガバナンス(トータルなリスクマネジメント)のベストプラクティスに焦点をあて、役員会および経営幹部の行動指針となるよう、講ずべき項目のチェックリストを提供しています。
「リスクガバナンスは金融機関の健全な運営の基礎であり、最優先で取り組まねばなりません。しかし、金融機関はリスクマネジメント機能を業務から独立させて考えがちです。しかし、リスクガバナンスの基本方針は机上の空論ではなく、実際のリスクマネジャーの行動に反映されなければなりません」とセレント証券グループのシニアアナリストで本レポートの著者であるキュビラス・ディンは述べています。
本レポートではベストプラクティスの7つの要素を挙げていますが、その中のいくつかは業界のコーポレートガバナンス調査およびレポートから見つけ出したものです。リスクガバナンスの理想的な構造とプロセスは企業ごとに異なりますが、ベストプラクティスに挙げた要素はどの企業にも共通しています。役員会および経営幹部は早急に対策を考え対処すべきです。
本レポートは2図と1表を含む14ページで構成されています。