コーポレートバンキングにおけるブロックチェーンの導入状況:弾み車効果の創出
2020/08/06
Abstract
コーポレートバンキングの分野で今後ブロックチェーンの導入が進むか否かは、経済的な実行可能性の達成状況にかかっている。価値、実現可能性および経済的な実行可能性のデザイン思考を可能にする枠組みは、ユースケースの将来性を判断する上で有効なモデルを提供する。本レポートで取り上げる数多くのユースケースでは、こうした枠組みを使って、エンドユーザーとプロバイダーにもたらされる全体的なメリットと利益を示している。巨大IT企業や革新的な銀行がエンタープライズブロックチェーンに多額の投資を振り向けたことで、実現可能性は確実に向上している。同様に、ガバナンスや業務提携への投資が増えていることも重要な要因である。経済的な実行可能性の取り組みはまだ進行中であるが、明るい兆しは見え始めている。
ブロックチェーンを使ったコーポレートバンキング関連プロジェクトの進捗状況について、具体的なユースケースでみてみよう。ここでは弾み車が回転し始めてから徐々に加速する過程に例え、14のユースケースを ①クロスボーダー決済(決済関連のメッセージングを含む)②トレードファイナンス ③金融サプライチェーン ④シンジケートローン ⑤顧客本人確認 (KYC)/ 顧客オンボーディング―の5つのカテゴリーに分類する。
(詳しい情報は、セレント北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください)