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決済サービスハブ再考:これまでの教訓

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2014/09/10

Abstract


決済サービスハブは成熟化しつつあります。セレントがこのテーマに関する一連のレポートを発行した2010年終わりから2011年初めにかけては、多数のプロジェクトが進行していたものの、決済サービスハブ自体は得体のしれない存在として捉えられていました。

今や、世界で稼働している決済サービスハブの数は当時の3倍近くに上ります。この分野を手掛けるベンダー9社の調査によると、稼働中のシステムは2010年には46でしたが、2013年末時点では119に増えたと推計されます。さらに、現在進行中のプロジェクトが多数あり、主要ベンダーでは数多くのプロジェクトが予定されています。

新たに市場参入するベンダーも多く、M&Aも盛んになっています。決済サービスハブ市場が成熟段階に達し、そのメリットを一般に認知してもらう段階が終わったことを示す兆しが見られます。

しかし、いまだ大きな誤解も残っています。本レポートは、銀行にとっての決済サービスハブのメリットは何か、最善のアプローチを考察する過程で、銀行と交わしたやり取りをもとに執筆しました。今や、決済の枠組みや決済サービスハブといった大きな概念が必要となり、単独のハブで解決できる問題ではなくなっています。

「銀行がベンダーのショートリストを提示し、どのベンダーを選定すべきなのか我々にアドバイスを求めるケースも多くみられます。しかし、自分たちが何を達成しようとしているのかをきちんと把握しないまま、始めから決済サービスハブが必要であると思い込んでいるケースもあります。実際には、ハブの導入プロジェクトはその銀行に特有なものです。各行の出発点、最終目標、制約事項などによって内容が異なるためです。そもそも、ハブの導入がソリューションにならないケースさえあるのです」とセレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したガレス・ロッジは述べています。

レポートでは、銀行とのやり取りから浮かび上がってきた共通の課題、具体的には、今まで見過ごされてきた決済システムへの再注目などについて取り上げます。