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個人退職勘定の資産獲得:受託者責任ガイドラインの動向

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2017/01/30

Abstract


個人退職勘定をめぐる米労働省の規制案を受け、大手証券会社や独立系の大手ブローカーディーラー(IBD)の間で思い切った措置を講じる動きが出ています。

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 労働省の規制案を受けて、証券会社はビジネスモデルをどのように変更しているか?

2

規制案が施行された場合、証券会社はどのような課題に直面するか?
3

受託者責任ガイドラインを踏まえ、証券会社はトレーニング方法やコンプライアンス体制をどのように変更しているか?

レポートでは、業界内で受託者責任のガイドラインに対応する動きが広がるなか、証券会社が手数料体系やトレーニングおよびコンプライアンス体制をどのように変更しているかを明らかにしています。

労働省の規制案を受け、一部の大手証券会社や独立系の大手ブローカーディーラー(IBD)は思い切った措置を講じています。メリルリンチは、個人退職勘定の手数料を廃止することを決めました。また、「最善の利益契約の免除規定(BICE)」を採用し、顧客があらかじめ契約に署名している場合はアドバイザーが手数料を受け取れるようにしているケースも見られます。

手数料を廃止したか否かにかかわらず、証券会社は商品主導のビジネスモデルからアドバイス主導のモデルへと移行しつつあります。さらに、金融機関とアドバイザーは提供するサービスについて明確な説明を求められており、顧客の利益を最優先する立場を強調しています。投資家の間では「受託者責任」のガイドラインを意識する機運が高まっています。

銀行と証券会社はアドバイザー向けに受託者責任と個人退職勘定に限定したトレーニングを行い、要件を満たしているアドバイザーを委託先として指名するようにしています。特に、定年退職プランの加入者およびスポンサーとのやり取りを担う個人退職勘定のスペシャリストの採用を進めています。

「証券会社がアドバイザーに与えている特定の役職名や資格は、投資家の誤解を招く恐れがあります。そこで、独立した第三者が全ての資産運用会社に適用できる有意義なテストを考案することが望まれます。fi360などは既にこうした動きを見せています」

「今後1年から1年半の間に、金融機関およびアドバイザーが受託者責任に関するトレーニングを実施し、労働省の規制案に準拠するための取り組みをサポートするソリューションを市場に投入するベンダーが確実に増えるでしょう」と証券プラクティスのアナリスト、ケリー・バーンズは述べています。