ブラジルの資本市場におけるテクノロジーのトレンド
Abstract
中南米は世界で最も成長著しい地域の1つです。なかでもブラジルは、その規模と発展状況から域内で最も重要な市場と言えるでしょう。
ブラジルの資本市場は急成長を遂げただけでなく、インフラの改善も急速に進歩しました。同国は海外の市場参加者、金融機関およびベンダーの目に魅力的な市場として映っているものの、その複雑さと現地拠点に対する要件の厳しさから参入がためらわれているようです。
セレントの最新レポート「ブラジルの資本市場におけるテクノロジーのトレンド」は、同国の資本市場の成長とベンダーの新たなビジネスチャンスについて取り上げています。ブラジル政府は、1990年代後半以降市場の解放を進めてきました。その後約10年間は好調な経済成長が続きましたが、それ以降は成長率に陰りが見え始め、現在は鈍化傾向に陥っています。その結果、市場の再編が促され、資本市場におけるソフトウェアおよびサービスのニーズにも影響を及ぼしています。
しかし、ブラジルの資本市場は急速に近代化しつつあり、ここ数年で電子化および集中化が進展しました。大手の外資系証券会社やベンダーの参入によってテクノロジーのレベルが引き上げられ、同国は今や新興市場のリーダー格として認められています。取引所や清算機関の新設が相次ぎ、現地のセルサイドおよびバイサイドの金融機関はテクノロジーのアップグレードを通じて域内での競争力向上を目指しています。
「中南米市場と欧州および北米の市場では当然のことながら相違点がありますが、ブラジルは中南米の中でも特に独自色の強い市場です。そのため、金融機関およびベンダーは、現地に業務遂行機能を構築する必要があります」とセレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。
レポートではまず、金融機関とベンダーに適用されるブラジルの規制要件を明らかにし、次に、法律とカルチャーに関する課題を紹介、さらに、ここ数年の資本市場におけるITインフラの進化の状況、金融機関のフロント/ミドル/バックオフィス向けシステム市場における外資系ベンダーのビジネスチャンス、現地で採用されているベンダー選定・価格設定モデルについて解説します。最後に、外資系および現地のベンダーが市場に投入しているITプラットフォームの機能、実装、導入をめぐる課題を取り上げています。