トランスフォーメーションプロジェクト:道筋が変わってもブレないためにすべきこと
2017/02/28
Abstract
トランスフォーメーションプロジェクトが満足のいく結果を残せないケースは数知れず、その多くは完全な失敗に終わっています。本レポートでは、トランスフォーメーションを成功に導くために「やるべきこと」と「やってはならないこと」を明らかにしいます。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 成功するトランスフォーメーションに共通する共通な要素とは? |
2 |
プロジェクトが失敗に終わる理由は何か? |
3 | プロジェクトの「健康診断」はいつ行うべきか? |
デジタルによるディスラプションが激しさを増し、競争力の維持が難しくなる中、保険会社は新興テクノロジーを取り入れ、新たなビジネスモデル、より優れた新しい商品・サービス、顧客エンゲージメントの拡充を通じて成長を推進する一方で、コスト削減と業務改善を実現させなければなりません。
既存のシステム環境下ではこうした機能をコスト効率よく開発・運用することができず、複雑なレガシーシステムに付随する時代遅れで時間のかかるプロセスもこれらを阻む要因になっているため、トランスフォーメーションに向けて踏み出しています。
トランスフォーメーションを成功に導く5つの要因として、以下が挙げられます。
- 日常業務のニーズを把握する
- 業務部門がコストを負担する
- 決定権限を適正レベルに定める
- 複雑なことは避ける
- ベンダーにインセンティブを与える
大規模なシステムトランスフォーメーションプロジェクトが失敗に終わる主な理由は、以下が考えられます。
- 変更管理が十分に行われていない
- ガバナンスが欠けている
- プロジェクトチームが経験不足である
- 十分なリソースがない
- リスク管理が行われていない
プロジェクトの健康診断は、プロジェクトが見込んだ成果を上げているかどうか確認するため、あるいは問題が発生して注意喚起が必要な場合に行えばよいでしょう。ただし、問題解決に要するコストはそれを防ぐためのコストをはるかに上回るのが常です。
「成功または失敗につながる要因は、その多くがたびたび繰り返されるものです。プロジェクトの健康診断を含むベストプラクティスを実践することが、トランスフォーメーションの成功につながる道といえるでしょう」と保険プラクティスのシニア・アナリスト、コリーン・リスクは述べています。