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中国の第2世代決済システム:銀行および決済プロバイダーへの影響

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2012/10/18

Abstract


中国では電子決済が急速に発展しています。2011年の取引総数は前年比で38%増加し、9億3,600万件に達しました。国内の電子決済の発達を促すため、中国人民銀行は第2世代の決済システム「China National Advanced Payment System 2(CNAPS2)」を導入しました。同システムは銀行と第三者の決済業者の両方に大きな影響を及ぼすとみられます。

CNAPS2の試験運用は2010年に始まり、2012年10月にはフル稼働が予定されています。セレントの最新レポート「中国の第2世代決済システム:銀行および決済プロバイダーへの影響」はCNAPS2と高度化したシステムの新たなサポート対象となる業務分野、新システムが銀行や銀行以外の決済業者に及ぼす影響、今後のプラットフォーム開発の見通しについて論じています。

CNAPS2の導入により、銀行業務は大きく変わるとみられます。中国では従来、同一銀行内の振替のみが可能でしたが、新システムの導入により銀行間振替ができるようになります。これによって資金の流動性が高まり、大規模な支店網や巨大な顧客基盤を強みとしている国有大手銀行の優位性は今後弱まることになるでしょう。

CNAPS2は18種類の取引に対応可能で、銀行は企業向けのキャッシュマネジメントサービスに加え、リテール市場で個人向けの財務管理サービスを提供できるようになります。現在、銀行以外の決済業者はシステムへのアクセスが制限されていますが、将来的にはこれらの業者にもアクセスが開放される予定で、そうなれば銀行以外の業者が銀行間取引の仲介役を担う機会が広がります。

「第2世代の決済システムは、銀行インフラの中で最も重要な位置を占めるものとなるでしょう。同システムへの移行には膨大な準備作業が不可欠ですが、銀行とITプロバイダーの双方にとってビジネス機会をもたらすことと思われます」とセレントのアジアフィナンシャルサービスグループのアナリストでレポートを執筆したフア・ジャンは述べています。

レポートではCNAPS2の改善点、銀行およびその他の決済業者に及ぼす影響、中国人民銀行による電子決済の展望を解説し、セレントから提言で締めくくっています。

本レポートは20p、5図と3表で構成されています。