銀行の未開拓分野:ブランド・プリペイドカード市場では非従来型銀行やノンバンクが優勢
Abstract
消費者向け決済カードの「次の大きな潮流」は、決済ネットワークブランド(ビザ/マスター)のプリペイドカードです。銀行口座を持たない層を対象とする未開拓市場の規模は1,920億米ドルとみられますが、銀行は同市場におけるリロード可能な汎用カードの可能性にまだ十分気づいていないようです。
ビザやマスターカードなどのブランド決済カードの市場は、主に従来型リテール銀行が支配してきました。ブランド(ビザ/マスター)・クレジットカードやデビットカードの成功に続き、今やブランド・プリペイドカード(ビザ/マスターのプリペイドカード)が存在感を強めつつあります。しかし、これらのプリペイドカードは、クレジットカードやデビットカードとは違い、NetSpend、ウォルマート、Western Unionなど非従来型銀行やノンバンクが発行やマーケティングを行っています。
セレントの最新レポート「銀行の未開拓分野:ブランド・プリペイドカード市場では非従来型銀行やノンバンクが優勢」は、リロード可能な汎用カード(GPR: General Purpose Reloadable)とその主要プレイヤーに焦点を当てています。
ノンバンクはこれらのカードが、これまでリテール銀行にほとんど関係がなく、銀行口座を持っていない米国の移民達にとって魅力的な商品であると認識しています。対象となる潜在顧客数を3,600万人、市場規模を1,920億ドルと推定し、銀行口座に代わってリテール銀行と同じような補助的サービス(直接預金、ATMアクセス、当座貸し越し枠、送金サービス、モバイル機能など)を提供するプリペイドカード口座の普及に向けた戦略的アプローチを展開しています。
リテールバンキング分野は競争が極めて激しく、銀行は、銀行口座を持たない人々を取り込む方法を探す必要があります。「ブランド・プリペイドカードは、銀行口座を持たない人々を銀行の顧客に変えていく流れを作る「突破口」の金融商品になる可能性があります。銀行は非従来型銀行やノンバンクから学ぶところが大きいといえるでしょう」とセレントのシニアアナリスト、レッド・ギレンは述べています。
本レポートは、ブランド・プリペイドカード市場の主なプレイヤーに焦点を当て、同市場への参入を目指す銀行にビジネスモデルを提案しています。レポートは22図と15表を含む全58ページで構成されています。