2008年セレントモデルバンク: 銀行のテクノロジー有効利用に関する ケーススタディ
Abstract
(このレポートは2008年3月6日に"Celent Model Bank 2008: Case Studies of Effective Technology Usage in Banking"というタイトルで英文で発表しましたが、和訳版を2008年6月10日に発行しました。)
セレントが初めて発行する「モデルバンク」レポートは、18の銀行が進めているテクノロジープロジェクトを「モデルバンク・コンポーネント」として紹介しています。
セレントによるモデルバンク調査の目的は、「銀行が全ての業務を最新のテクノロジーで最適化した場合、どうなるか」という一見単純な疑問に対する答を示す ことでした。もちろん、これはそれほど単純な質問ではありません。銀行の規模、業務および商品ラインの複雑さ、既存のテクノロジー基盤などにより、「全て」や「最適化」という言葉の意味が大きく異なるからです。
「我々のアプローチの目的は、『モデルバンク』が採用すると思われるテクノロジーの利用方法に関するベストプラクティスの概要を示すことです。もちろん、モデルバンクは1つだけに限定される訳ではありません。どの銀行もテクノロジーに関しては成功と失敗を経験しています。」と、セレント銀行プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したジェイコブ・イエーガーは述べています。レポートで取り上げた実例は、インフラおよびアーキテクチャから商品の開発、マーケティング/販売、販売チャネルの管理、取引処理、融資手続、顧客サービス/サポート、セキュリティおよびリスク管理に至る幅広い範囲に及んでいます。
「我々はテクノロジーを有効利用している銀行の実例をできる限り多く集めました。 レポートでは、理論上のモデルバンクが採用するITシステムと実践手法を構成する要素としてこれらのケーススタディを紹介しています」とイエーガーは付け加えています。モデルバンクの構成要素となる18のケーススタディのほぼ全てについて、ビジネスドライバー、テクノロジー環境、定量的な成功指数に関する簡単な説明を掲載しました。レポートで取り上げたプロジェクトは以下の通りです。
- バンコープ・サウス: 企業向け融資の最前線におけるプライシングの規律
- バンク・オブ・ニューヨーク・メロン: 柔軟性の高い会計プラットフォーム
- Bremer Bank: 個人向けオンラインバンキングのプラットフォーム
- シティ: 本人確認の管理サービス
- Fifth Third Bancorp: 電信送金発信手続の自動化
- Fortis Bank: グローバル決済処理プラットフォーム
- JPモルガン・チェース: ポータブル・セキュリティ・トランザクション・プロトコル(PSTP)
- M&I Bank: 企業向け融資手続の自動化
- National City Bank: SOAの開発および販売
- National City Bank: 報酬/ロイヤルティ・プログラム
- Pacific Trust Bank: 取引ベースのモーゲージ口座
- SEB Unibanka: マルチチャネルによる顧客サービスの管理
- Taishin International Bank: 勘定系システムのリプレース
- TD Canada Trust: ABMインフラおよび業務の近代化とアウトソーシング
- Washington Mutual: オンラインによる口座新設
- ウェルズ・ファーゴ: モバイルバンキング
- Zions Bank: 多要素認証
- Zions Bank: リモート・デポジット・キャプチャー
セレントは、毎年同様の調査とレポートの発行を行い、2009年のレポート発行に向けて継続的に実例を収集していく予定です。今後1年間にわたって2009年のレポートに掲載するプロジェクトの候補を募集しますので、銀行または提携先のベンターからの応募をお待ちしています。
本レポートは32ページで構成されています。