アジア保険業界におけるデジタル化の進捗状況:アジア保険リサーチパネル調査より【抄訳版】
Abstract
(英文レポート"Progress Towards a Digital Future in Asia: Results from the Asia Insurance Research Panel"の重要部分を抽出し翻訳しました。)
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | アジアの保険会社はデジタルをどの程度重視しているか? |
2 |
保険会社の掲げるデジタル戦略は、顧客の期待に合致しているか? |
3 | 保険会社のデジタルプロジェクトの進捗状況は? |
セレントは、保険業界でいま最も注目を集めている「デジタル保険」をテーマに、第1回目となる「アジア保険リサーチパネル」調査を実施しました。調査にはアジアの9つの市場で活動する保険会社28社が参加し、アジアで積極的にビジネス展開しているグローバル保険会社も含まれています。
調査の結果、アジアの保険会社の93%は「デジタルは業界にディスラプションをもたらす主な原動力であり、プロポジション(提案)とディストリビューション(販売)を根本から変える力がある」との認識を共有していることがわかりました。しかし、チーフ・デジタル・オフィサー(CDO)を任命している保険会社は6%にとどまっています。
調査結果から、アジアの保険会社が現在取り組んでいるデジタルプロジェクトの進捗状況にはかなりのばらつきがあることが明らかになりました。保険会社は、顧客への提案を強化する上でデジタルエンゲージメントの可能性を強く認識しています。
しかし、保険会社の多くはいまだデジタル化への初期段階にあり、その取り組みの中心はバックオフィスの業務プロセスの自動化や文書削減などです。デジタルイノベーションの分野、つまりコグニティブ・コンピューティング、モノのインターネット、ソーシャルデータといった最新テクノロジー活用プロジェクトを優先している保険会社は少数派にとどまっています。
「調査結果は、アジアの保険会社が『マルチチャネル』を志向していることを示唆しており、単純な取引はリモートチャネルに移行されるでしょう。しかし、消費者が求めているのは真のオムニチャネル・エクスペリエンスであり、人によるサービスと自動サービスが綿密に連携して、いつでもどこでも自分のニーズに対応してくれることを期待しています」と、セレントアジアのシニア・バイス・プレジデントでレポートを執筆したニール・カタコフは述べています。
セレントでは、パネルへの参加者を引き続き募集しています。参加を希望される保険会社は、infojapan@celent.comにぜひご一報ください。