日本の銀行業界におけるレガシー・モダナイゼーション パート1:調査結果分析と現状把握【日本語】
2017/03/17
Abstract
このシリーズでは、日本の金融業界における、レガシー・モダナイゼーションの現状と今後の方向性を考察します。分析の対象を銀行セグメントに絞り、パート1では、銀行業界の現代化の現状を把握し、続くパート2では、そこでの対処策と銀行業界への提言を述べます。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 日本の銀行業界における、レガシーシステムの現代化はどの段階にあるか? |
2 |
銀行にとって、現代化とは何か?それは何故か? |
3 | 銀行は、どのようにして現代化を進めるべきか? |
サーベイの結果に基づき、銀行業界のレガシー現代化の現状を以下の切り口から分析します。
- 現代化の検討の進捗状況、置換戦略、その理由
- 新たな解決策(SaaS、BPO)の検討状況
- 最大の課題はどこにあるか
- ビジネスケースの検討状況
- 現代化の進展による、ビジネス部門、IT部門の役割変化
「戦後70年、自由化と規制緩和の取り組みを開始してから35年。長い期間をかけ、日本の金融制度、金融機関は今日の業界地図に辿りつきました。制度の枠組み と規制当局によるイニシアチブは変わりましたが、プレーヤーのマインドセットは変わったでしょうか?課題は、金融規制の変更に対応するための物理的なオー バーヘッド(商品サービスやITの改定のための労力)をいかに解消するか、から、金融サービス事業者のインセンティブやモチベーション(新商品サービスを 生み出す意欲やイノベーションへの取り組み)に移りました。経営者に今、問われるのは、競争力と成長戦略に向けたリーダーシップです」とアジア金融サービ スプラクティスのシニア・アナリスト、柳川英一郎は述べています。