2013年 アジア・モデルインシュアラー:保険会社のテクノロジー有効利用に関するケーススタディ
Abstract
セレントは、今年で3回目となるアジア太平洋地域のモデルインシュアラーを選定しました。このレポートでは17の「モデルインシュアラー・コンポーネント」を紹介しています。
アジアでは地域固有のビジネス課題が存在するため、保険会社向けのテクノロジーも独自の経緯で進化してきました。セレントの最新レポート「2013年 アジア・モデルインシュアラー:保険会社のテクノロジー有効利用に関するケーススタディ」では、17の保険会社のテクノロジープロジェクトを「モデルインシュアラー・コンポーネント」として選出しました。 テクノロジー利用に関するベストプラクティスの事例は、商品および保険契約者のライフサイクルにおける重要分野を広くカバーしています。具体的には、エージェント向けポータル、分析、ビジネスプロセスマネジメント、保険金請求、販売/新規契約、インフラ/アーキテクチャ、保険契約管理、リスク管理、サービス、引受けなどが挙げられます。 またレポートでは、ITをめぐるベストプラクティスや、モデルインシュアラー・コンポーネントの選考基準になった業務実績についても検証しています。
セレントは、理論上の「モデルインシュアラー」が採用すると思われる、保険の様々な分野におけるテクノロジー利用ベストプラクティスを紹介しています。商品および保険契約者のライフサイクルの構成要素である場合もあれば、ITインフラやアーキテクチャといった分野である場合もあります。今回モデルインシュアラーに応募があった多数の案件の中から「モデルインシュアラー・コンポーネント」に選ばれ、本レポートで紹介する個別のプロジェクトや機能に関するケーススタディは、そうした幅広い分野に及んでいます。
2013年のアジア・モデルインシュアラー・コンポーネントは以下の通りです。
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AEGON-CNOOC Life Insurance:
コアとなる保険契約管理システムや画像/ワークフローシステムと統合したBPMシステムを導入し、保険契約管理のあらゆる業務に必要なワークフローおよびデータを一元的に入力できるソリューション。 -
Agriculture Insurance Company of India:
ウェブベースの統合オンラインソリューションによって遠隔地にいる農民も低コストでアクセス可能で、また、業務・管理プロセスの自動化を通じてリソースの最適化とコストの最小化を実現。 -
AIG Asia-Pacific:
中小企業向け業務をサポートする販売主導の保険成約プラットフォームの導入。 -
Birla Sun Life Insurance:
プロセスパフォーマンス管理システムを導入し、エンドユーザーへのサービス提供を改善。 -
HDFC Standard Life Insurance:
店頭販売時点におけるリアルタイムの引受けを可能にするシステムの設計および開発。 -
HDFC Standard Life Insurance:
顧客がネット上で保険商品を購入できるポータルサイトの導入。 -
HNB Assurance:
保険金請求管理システムにカスタマー・リレーション・センターの機能やモバイル向け機能を加え、自動車保険の保険金請求手続きを完全自動化したものを導入。 -
IndiaFirst Life Insurance:
営業部門の強化、販売手続きの完全自動化、顧客サービスの向上をめざすモバイルプロジェクト。 -
MetLife Global Technology & Operations Asia:
あらゆる業務システムに対応可能で、複数の販売チャネルにリアルタイムでエンド・ツー・エンドの完全な販売リソースを提供するモバイル・アプリケーション・プラットフォームを導入。 -
三井住友海上火災保険:
クラウドベースのグローバル情報プラットフォームの迅速な導入により、災害後の迅速な保険金請求を実現。 -
Partners Life:
保険契約システムの迅速な導入により新規ビジネスの立ち上げを効率的にサポート。 -
Prudential Life Insurance Company of Korea:
iPad用アプリケーション導入による販売業務の合理化。 -
Royal Sundaram Alliance Insurance:
提携相手による書き換えも可能なウェブサービスインターフェイスを導入し、オンライン保険証書の発行を可能に -
Shanghai Insurance Association:
自動車保険用の情報交換プラットフォームを導入し、市場の統制と業界内のリスク管理強化を実現。 -
Tata AIG General insurance:
オンサイト登録および保険金請求の情報収集をデジタル化するモバイルアプリケーションにより、農村部の家畜保険顧客の効率的な獲得。 -
Yingda Taihe Property Insurance:
全ての損害保険商品の保険金請求手続きを自動化する保険金請求サービスプラットフォームの導入。 -
Zurich Insurance:
4つの地域に共通の業務変革ソリューションを導入し、世界中の市場の商品や手続きの開発、共有、再利用、サポートを実現。
今回初めてとなる「モデルインシュアラー・アジア・オブ・ザ・イヤー」は、下記のプロジェクトに決定しました。
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HDFC Standard Life Insurance:
店頭販売時点におけるリアルタイムの引受けを可能にするシステムの設計および開発。
「セレントがグローバルに展開しているプログラム『モデルインシュアラー』をアジアのテクノロジープロジェクトを対象に行うようになって、今年で3年目となります。今回も幅広い案件の応募があり、モデルインシュアラー選出されたプロジェクトはこの地域の保険業界の最先端を代表する事例になっています」と、アジア地域のシニアバイスプレジデントを務めるニール・カタコフ は述べています。
「テクノロジーそのものを追求するだけでなく、それを有効に活用することは、より重要です。これは、モデルインシュアラー・コンポーネントに選出されたプロジェクトに共通したテーマであり、受賞した保険会社各位は自らの決断を誇るべきでしょう」と、アジア金融サービスグループのシニアアナリストで今回のレポートを執筆したウェンリ・ユアン は述べています。
セレントでは2012年7月にモデルインシュアラー・コンポーネントの募集を始め、保険チームが報告されたビジネス成果に基づいて17のプロジェクトを選出しました。レポートでは、各コンポーネントのビジネスドライバー、テクノロジー環境、定量的な成功指標などについて詳しく説明しています。
本レポートは60p、2図と3表で構成されています。