マルチチャネル・バンキングのレベルアップ:マルチチャネル・イノベーションに関するケーススタディ
Case Studies in Multichannel Innovation
Abstract
マルチチャネル化が進む世界において、銀行はどのようすれば収益拡大できるでしょうか?支店ネットワークへの依存を減らしつつ、収益を拡大するにはどうすればよいでしょう?デジタル・チャネルを強力な対顧客プラットフォームにするには?マルチチャネルを正しく導入するには多くの課題が浮かび上がってきます。
マルチチャネル・バンキングの実現のためにはまだやるべきことが多くあります。多くの銀行は、縦割り構造から抜け出せず、いまだにオンラインやモバイル機能導入に乗り遅れており、伝統的なコア取引から一歩進んだ機能を構築することの費用対効果を判断するのに苦労している状態です。「マルチチャネル・バンキングのレベルアップ:マルチチャネル・イノベーションに関するケーススタディ」において、セレントはマルチチャネル・バンキングの現状、一連のケーススタディから得たベストプラクティスを紹介しています。
顧客による複数チャネルの利用は増加しており、マルチチャネル・バンキングのレベルアップは必要に迫られています。例えば、2013年6月セレントが実施した米国での消費者調査によると、1ヵ月間で支店を利用した顧客は全体の3分の2で、3分の1はモバイル・バンキングを利用、そして、80%近くがオンラインバンキングを利用していました。
「マルチチャネル・バンキングの重要性を認識し、多くの銀行が実現しようとしてきました。銀行は手に入れやすいものを探しがちですが、マルチチャネルイノベーションは顧客に価値を、銀行には見返りを与えるという、まさにその一例と言えます」セレントのバンキング・グループのリサーチディレクターで共同執筆者、ジェイコブ・イエーガーは述べています。
「多くの銀行は現在、様々なチャネルにおけるユーザーエクスペリエンスを向上させようとしているところです。これは容易ではありませんが、重要な作業です。各チャネルをどのように利用するかを決めるのは、銀行ではなく、顧客だからです」セレントのバンキンググループのシニアアナリストで共同執筆者、ボブ・メーラは述べています。
本レポートは、マルチチャネル・バンキングの現状を概観し、支店ネットワークを適正な規模にし、デジタル・チャネルで商品やサービスを提供しその利用を拡大するために銀行がすべきことを考察しています。次に、革新的マルチチャネル・プロジェクトに乗り出した5つの銀行についてのケーススタディを紹介し、マルチチャネル・バンキングのレベルアップを目指す金融機関への提言で締めくくっています。