レポート、ウェビナー:2023年 コーポレートバンキングにおけるITの戦略と優先事項:グローバル編
2023/07/20
Abstract
2023年はコーポレートバンキング業界の多く企業にとって困難な年になるだろう。成長とイノベーションに焦点が戻るというパンデミック後の期待は、現在の激動の環境下において慎重な計画が必要になったことで後退している。金利上昇で銀行の利益が圧迫される中で、2022年のトランザクションバンキングサービスの利益は特に好調であった。銀行にとっても、流動性の最大化と信用エクスポージャーの削減を目指す顧客企業にとっても、市場のダイナミズムは過去12ヶ月で変化した。グローバルサプライチェーンの問題が発生したことで、貿易サービスの非効率性も増幅された。このように事業の優先課題が変化し、フィンテックや先駆的な銀行によって新しいバリュープロポジションやサービスが構築される中、銀行も絶えず変化するテクノロジー環境に直面している。そのため、銀行はこれらの新しいエコシステムにどのように関与すべきかを決め、企業顧客を獲得・維持するための新たな方法を見出す必要性に迫られている。同時に、銀行は、変革の可能性 (および危険性?) を持つ生成AIといった新たなテクノロジーへの投資について決定しなければならない。
世界経済は新型コロナのパンデミックによる影響とそれに伴う景気悪化や銀行業界の問題を切り抜けてきた。こうした中、コーポレートバンキングのIT支出は大きく増加し続けている。この状況がコーポレートバンキング業界にとって何を意味するのかを正確に理解するために、セレントはコーポレートバンキングのIT戦略に関する調査を実施した。調査では200名以上の業界幹部から得た回答を分析し、コーポレートバンキング業界で議題のトップに上がっているテクノロジー、商品への投資、戦略的優先事項を明らかにしている。