コアバンキング・ソリューションの グローバルベンダーには勝負の時
Abstract
セレントは本レポートで銀行勘定系システムへの投資額は2005年までに全世界で800億ドルを超えると予測しています。
世界のコアバンキング分野では競争がますます激化しています。また銀行は最重要システムを入れ換える、という選択をせざるを得ない状況に直面しています。その際、多くの銀行ではベンダーの提供するパッケージソリューションを初めて採用することを検討しています。勘定系システムのリプレースは銀行にとってコストとリスクが非常に高いプロジェクトですが、これらのソリューションを使うことにより、より大きな成功と迅速な実装が可能となります。
セレント・コミュニケーションズは、今後銀行勘定系システムへの投資が急増し、その投資額は2005年までに全世界で計802億ドルに達すると予測しています。とりわけ欧州の銀行では、IT投資に関する最終決定権は事業戦略部門ではなくIT部門が握っているため、投資規模は世界で最大になると予想されます。また欧州ではEU設立とユーロ導入の結果、システムの柔軟性を高める必要が一段と増しており、このことも銀行勘定系システムへの投資拡大に拍車をかける要因となっています。
一方、北米の銀行はこれまで勘定系システムの入れ換えには消極的でしたが、今後は同地域におけるシステム入れ換え需要の増大が見込まれます。北米市場は今まで米国ベンダーの独壇場となっていましたが、ここにきて外国のソリューションプロバイダが同市場に照準を合わせる姿勢を強めています。「外国ベンダーは次世代システムを武器に米銀に販売攻勢かけるとみられるが、彼らは米国市場でいくつかの難題に直面するだろう。これまで外国ベンダーがコアバンキング分野で同市場への本格的な参入を果たした例はみられない」と、セレントの銀行アナリストで上記レポートの著者であるクリスティン・ベリーは述べています。
「次世代ソリューションは従来のものと比較して優れた点も多いが、現在大手グローバル銀行のほとんどが使用しているメインフレームシステムをこれに置き換えた場合、現行と同レベルのスケーラビリティの提供が可能かどうかはいまだ証明されていない。これが証明されるか否かが、トップティアの銀行から受注を獲得するためのカギとなるだろう」とベリーはコメントしています。
同レポートでは、世界の主なコアバンキング・ソリューションのプロバイダ18社が提供するソリューションについて、ソリューションタイプ、世界での導入件数、ターゲット市場、可能な実装手法、技術および特性・機能性の6つの観点から分析・比較しています。また、勘定系システム入れ換えの緊急度に影響を及ぼすIT投資と地域内の動向についても検証しています。
なお、来る12月2日にセレントの主催により、パリ - リッツホテルで開催される円卓会議では、コアバンキングとシステム入れ換えの必要性について議論が交わされる予定です。パネリストとして、ABMアムロ、スコシア銀行、サンタンデール銀行、クレディスイス、UBSおよびオーストリア・フォルクス銀行の代表者の出席を予定しています。