欧州における第3のカードネットワーク構想:転換期
2012/03/15
Abstract
欧州ではここ6~7年間、行政の後押しを受けて、第3のカードネットワークの座を目指して多くのプロジェクトが立ち上げられています。セレントは、こうしたプロジェクトの今後の見通し、また新たなカードネットワークの背景にある様々な議論を検証しています。
セレントの最新レポート「欧州における第3のカードネットワーク構想:転換期」は、欧州における第3のカードネットワークの主要候補を取り上げ、それぞれについて成功の可能性を予測しています。具体的には、主要候補であるPayFair、Monnet、EAPSおよびEUFISERV Paymentsが第3のネットワークとしてふさわしいかどうかを検証し、各プロジェクトの現在の進捗状況と今後の見通しについて見解を述べています。また、そもそも第3のネットワークが求められるようになった経緯を説明しています。
セレントのみるところ、上記の主要候補のうち、近い将来に実行可能かつ競争力の高い欧州のカードネットワークを構築できるところはないでしょう。また、ここ7年間で市場も変化しており、欧州に限定したカードネットワークを一から構築することの根拠が(かつては存在していたかもしれないものの)今では見当たらなくなっています。
「いまや欧州でのカードネットワーク構想は白紙に戻し、本当に重要な問題に取り組むべき時期にきています。ユーロの通貨としての存続さえ危うくなっている今の経済情勢を踏まえれば、第3のカードネットワーク構想は棚上げすべきでしょう」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジルビナ・バレイシスは述べています。