米国保険業界のソルベンシー規制とテクノロジーに関する展望
Abstract
保険会社の取締役や経営陣、規制当局、格付け会社のあいだで、ソルベンシー(支払能力)の問題が話題にのぼるようになってきました。これに首尾よく対処するためには、保険会社は自己の将来図をを明確に描かなくてはなりません。そのためには、適切なテクノロジーの導入と、その適切な使用が求められます。
金融危機と景気後退により、米国ではソルベンシー規制に大きく変更が加えられる可能性が高まっています。セレントの最新レポート「米国保険業界のソルベンシー規制とテクノロジーに関する展望」では、金融危機によるソルベンシー規制への影響を考察しています。
NAIC(全米保険監督官協会)と各州保険庁の方針は、2012年施行されるEU「ソルベンシーIIの枠組みに関する指令(Solvency II Framework Directive)」に、類似したものになるでしょう。しかしながら、保険会社はすべてが確実になるのを待っているわけにはいきません。以下の4つを指針として行動に開始しなければなりません。①ソルベンシー規制の変更をビジネスチャンスとみなす、②ERMフレームワークを利用してソルベンシー管理を業務に組み込む、③ソルベンシー・テクノロジーを慎重に構築する、④ソルベンシーの測定基準を明白にする。
出典:セレント
「保険会社は、金融危機を経て、リスクの範囲と規模を予想することは考えていたよりよほど難しいということは実感しているでしょう」とセレント保険グループのシニアアナリストで本レポートを執筆したドナルド・ライトは述べています。
「米国保険会社が保険契約者に対する責任を果たすには、ソルベンシーに関するプラクティスの改善が必要です。ソルベンシーに関するプラクティスを改善し、機能を高めるには、何年もの時間を要します。NAICや保険庁、格付け会社などの動きを待ってから行動を始めるのでは遅すぎるでしょう」と彼は付け加えています。
本レポートは5図を含む26ページで構成されています。