銀行におけるAPI: 事業価値の実現に向けた4つのアプローチ
Key research questions
- APIは未来型の銀行を構成する要素として、どのような進化を遂げたのか?
- 事業価値を実現するために、銀行はどのようなAPIアプローチを取っているのか?
- 銀行はどのようにAPI活用に取り組むべきか?
Abstract
オープンバンキングAPIは最低限の規制対応をすれば済む話ではありません。本レポートでは、アプリケーションのインテグレーションや、プラットフォームとしてのバンキング(BaaP)、イノベーション、顧客との連携、といった4つの領域でAPIを活用し、事業化を進めている先進的な銀行の事例を取り上げます。
ユーロ圏と英国でのAPI関連法制度の進展具合を見ても、オープンバンキングAPIが不可避であることは明らかです。 APIは、アプリケーション統合、プラットフォームとしてのバンキング(BaaP)、イノベーション、顧客との関係性の再構築などを実現するためのキーテクノロジーです。
Webサービスやマイクロサービス、APIは、インテグレーションレイヤーのデカップリングを用いたレガシーモダナイゼーションを可能にするものであり、従来のバッチ処理と、リアルタイム性の強いクラウドベースのモバイル・ソーシャル対応アプリケーションとの間を繋ぎ合わせるものです。APIは、プラットフォームとしてのバンキング(BaaP)を下支えするモジュラーアプリケーションを可能にし、ネオバンクに対して最先端のデジタルバンキング機能を提供します。 法規制、顧客ニーズの変化、フィンテック企業の脅威に押されてオープンバンキングが進展するにつれて、APIは、イノベーション創出のためのパートナーシップが構築できるよう銀行とサードパーティ企業を結び付けていくことでしょう。通常、銀行サービスを利用するためには、顧客はWebやモバイル上のプラットフォームに手動でログインし、手動で残高と取引データを入手しています。 それに対し、APIは会計システムや、財務管理システム、およびERPプラットフォーム用の財務データへ必要なときに自動的にアクセスできる新たな接続チャネルとして台頭しています。
本レポートは、CBW Bankや、Fidor Bank、JB Financial Group、Citi、YES Bankの最新のケーススタディを用いて、テクノロジーアーキテクチャや収益化アプローチ、そして直近の成果を詳しく紹介します。更には、APIに取り組む銀行に対し、事業価値を引き出すためのガイドラインをご紹介します。