女性向けウェルスマネジメント市場:もはやニッチにあらず【抄訳版】
Abstract
(このレポートは2015年9月に"Advising Female Clients: No Longer a Niche Market" というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2016年3月17日に発行しました。)
※ダウンロード: レポート(日本語)=抄訳版PDF、(英語)=原文レポートPDF
世界の富の多くの部分は女性の管理下にあるにもかかわらず、ウェルスマネジメントにおいて女性顧客セグメントは見落とされがちです。富裕層および超富裕層の女性からは、アドバイザーやウェルスマネジメント業界が提供するサービスへの不満の声が頻繁に聞かれます。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | ウェルスマネジャーにとって、女性顧客と自社のアドバイザーとの関係を見直すことはなぜ重要なのか? |
2 |
女性顧客のユニークな特質と投資目標は、ウェルスマネジメント業界にどう影響するか? |
3 | 女性顧客へのサービス改善に向けて、最新テクノロジーどう活用できるか? |
米国では富裕層および超富裕層に属する女性の数が増加傾向にあります。女性の就学率の上昇が続き、男女間の賃金格差が縮まり、女性の労働参加率が上昇し、ベビーブーマーによる子世代への富の移管が進むなか(統計学的に女性は男性より長生きするため、この点は特に重要)、その数は今後さらに増加が見込まれます。女性の収入は世帯所得の少なくとも半分を占めており、彼女たちは単独または共同で世帯の経済的な意思決定を担うようになっています。
「富裕層・超富裕層顧客のこうした人口動態の変化は、次世代であるミレニアム世代の急速な台頭を含め、フィナンシャルアドバイザーとウェルスマネジメント業界を取り巻く環境を魅力的ながらも複雑なものにしています。フィナンシャルアドバイザーと女性顧客の関係は改善しているものの、さらなる進化が必要です」と、ウェルスマネジメントプラクティスのアナリストでレポートを執筆したアシュレイ・グローバーマンは述べています。
女性顧客層は、世代によって規模、行動の特徴、財務目標、テクノロジーの適性、商品・サービスへのニーズが異なるため、ウェルスマネジャーはこのユニークなセグメントに対する理解を深め、周到にセグメント化し、マーケティングし、テクノロジーを導入していく必要があります。
レポートでは、女性市場を世代別に分け、各世代ごとのアドバイザーとの関係の特徴を明らかにし、最新テクノロジーを使っていかに既存のアドバイザリーモデルを修正し、サービス向上を図っていけるか提言しています。