保険業界におけるイノベーション:地域による違い
Abstract
産業革命以来、テクノロジーにおけるイノベーションは急速かつ着実に進展してきました。これにより、この20年間、消費者と企業が関わる方法は後戻りできないほど変化しました。このような環境下、どの地域の保険会社も、競争に勝つために、プロセスおよびテクノロジーの絶え間ない革新を求められています。
本レポートでは、アジア太平洋、欧州・中東・アフリカ、中南米、および北米におけるイノベーションへの取り組み、投資、およびプロジェクトに焦点を当て、各地域にみられる相違を分析しています。
テクノロジーのイノベーティブな利用、また最新テクノロジーの活用は、さまざまな戦略目標を実現するために必要です。地域によって、ビジネスにおける優先順位は異なるとしても、イノベーションへの取り組みは、戦略達成に直接的・間接的に寄与します。
「保険会社は、保険のバリューチェーンにおける関係者全員の期待に変化が生じていることを認識しています。すなわち、顧客、潜在顧客、代理店の、テクノロジーの活用についての期待はますます高まっています」とセレントの保険グループのアナリストのカレン・モンクスは述べています。
「調査結果から、保険会社はイノベーションが保険ビジネスの多くの面で利益をもたらすと考えているものの、実際には、保険業界におけるイノベーションは、他の業界に比べて遅れている、と認識されているようです」セレントの保険グループのシニア・アナリストで共著者であるニコラス・ミシェロッドは述べています。
また、本レポートでは、各地域の保険会社CIOを対象とした調査、またイノベーションをテーマにした最近の調査に基づき、保険業界におけるイノベーションの背景、各調査結果の詳細を説明しています。特に、ビジネス戦略達成においてイノベーションの役割はどのように捉えられているか、イノベーションへの取り組みに投資する際、何を優先事項とするのか、どの程度投資が進んでいるか、そして保険会社のカルチャーがイノベーションをどう後押しし、または阻んでいるかを分析しています。