2010/12/15
Abstract
保険会社は膨大な量の文書を作成すると同時に、新たなコミュニケーションツールや販売チャネルの導入も迫られているため、文書管理は複雑な作業となります。保険会社が文書を作成し、取り扱うにあたっては様々な課題を解決しなければなりません。
保険会社にとって、文書管理は非常に複雑な作業です。セレントの最新レポート「保険会社の文書管理に関する3つの原則」はこの複雑な問題を取り上げ、保険会社の社内組織と文書のコンプライアンスについて検証しています。また、文書やメッセージの出力先をポータルに移行するためのビジネスケースを分析し、そのビジョンに沿うようなアーキテクチャを提案しています。
下表に、保険契約者向けポータルに掲載される項目をまとめました。
項目 |
必須機能
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顧客情報 |
- 顧客リストと保険契約の情報
- 被保険者による個人情報(住所、メールアドレス、電話番号など)の変更機能
- 被保険者による個人情報(住所、メールアドレス、電話番号など)の変更機能
- 家族全員の保険内容を一覧できる閲覧機能
- 顧客が保険会社とやり取りする際の言語を選択できる機能
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文書 |
- 全ての文書のリスト(保険契約と一般的な条件に関する文書を別々のインデックスで一覧できるようにすることが望ましい)
- 顧客が特定の文書を探すことが可能な検索機能
- 文書のアーカイブ機能
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財務情報 |
- 支払い状況(支払い済み、未払い、支払い催促など)を明記した保険料請求書のリストと元の請求書へのリンク機能
- 全ての財務取引(保険料、請求保険金の受取、自己負担費用など)を一覧できる口座明細書と関連文書へのリンク機能
- 支払い状況(支払い済み、未払いなど)を明記した保険金請求のリストと支払い請求書類の元の文書へのリンク機能
- 保険料および自己負担費用に関する支払い催促状のリストと元の催促状へのリンク機能
- 顧客が財務取引を閲覧できる検索機能
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やりとり |
- 各種フォーム:
- 被保険者が記入・送信することが可能なPDFか、できれば HTML形式のフォーム(銀行口座の変更依頼、保険金請求書、クレーム申立書、個別の請求書に関する質問書など)
- フォームを進捗状況(入手可能、送付済み、その他)ごとに分類・表示する機能
- 顧客に固有な文書のリストと元の文書へのリンク機能(これらの文書は、紛失してしまった保険金請求書など顧客ごとに異なる場合が多い)
- 新商品の販促資料、被保険者の習慣に影響を及ぼす保険金請求手続きの変更、特別な値引きや提案など、一般的な文書のリスト.
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アーカイブ |
- 顧客がアーカイブファイルを自由に整理することが可能な機能
- 顧客ごとに保管されている文書のリストと元の文書へのリンク機能
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Q&A |
- 保険商品、保険金請求手続き、保険契約者向けポータルのガイダンスに関して想定される質問のリスト
- 顧客がQ&Aのページに投稿できる機能
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リンク |
- 保険会社のウェブサイト、フェースブックなどへのリンク一覧
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出典:セレント |
「ポータルは保険契約者とのコミュニケーションツールとして有効であるほか、長期的にみて大幅なコスト削減が期待できます。先進的な機能を持つ保険契約者向けポータルは、全てのコミュニケーションや文書の流れを1つの対話チャネルに一元化できるというメリットがあります」とセレント保険グループのシニアアナリストでレポート執筆者のニコラス・ミシェロッドは述べています。
本レポートは、セレントが2010年に発行した保険会社の文書管理に関するレポートの第二弾です。第一弾のレポート保険会社の文書管理をめぐる市場トレンドは、9月に発行されています。
このレポートは5図5表を含む22ページで構成されています。