ガバナンス・オペレーショナルリスク・コンプライアンス(GORC)マネジメント:ソリューション分析
Abstract
GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)、ERM(エンタープライズ・リスク・マネジメント)およびORM(オペレーショナル・リスク・マネジメント) という用語は頻繁に使用され、確かに重要ではありますが、ベンダーを選択する基準は明らかではありません。本レポートは金融機関に対し、外部ソリューションを選定する際に「自らを知る」よう促しています。
政府、規制および投資家の活動が活発化する中、健全なガバナンス、オペレーショナルリスクおよびコンプライアンス対策を提示するよう求められています。そのような状況の中、エンタープライズ・リスク・マネジメント/オペレーショナル・リスク・マネジメント(ERM/ORM)に関する全社的な取り組みは、企業のリスク・エクスポージャーを軽減することができるでしょう。また、成熟し、柔軟性の高い次世代サードパーティーベンダーのソリューションを活用すれば、インハウス・ツールの置換または統合が可能です。テクノロジーサポートは成功への一要素に過ぎませんが、全社での一貫性を図り、リスクプラクティスの統合のためにはいまもなお重要な鍵といえます。
しかし、現時点では、ベンダーおよびそのソリューションは発展途上にあり、どのベンダーがどの分野に強くなるのか定まっていません。完璧で徹底したガバナンス・オペレーショナルリスク・コンプライアンス(GORC:Governance, Operational Risk and Compliance)ソリューションを提供するには未だ至っていません。
「統合がトレンドなのにも関わらず、ベンダー業界はいまもなお分散傾向にあります。GRCやERM、ORMと名乗るソリューションであっても、金融サービス企業のニーズにそのまま合致しているわけではありません。まず、企業はオペレーショナルリスク、コンプライアンスおよびガバナンスに対するビジョンを明確に示さなければなりません。 それによってはじめて、他のコアプロセスシステムとのアップストリーム/ダウンストリーム統合を促進するためにはGORCのどの機能に注目して投資すべきか、具体策が立てられるでしょう。さらに、費用対効果において優先順位は何であるかがはっきりするでしょう」とセレントのシニアアナリストで本レポートの著者であるキュビラス・ディンは述べています。
本調査の一環として、セレント独自の「ABCDベンダービュー」を用いて、12のベンダーのガバナンス・オペレーショナルリスク・コンプライアンス・ソリューション(GORC)について分析しています。これは①テクノロジーの先進性と柔軟性②機能の幅③顧客基盤④顧客サービスとソリューションの充実度―の4つの要素をもとに各ベンダーの市場における相対的ポジションを図表化し、各ベンダーの特徴を詳しく紹介するものです。本レポートで分析したベンダーは次のとおりです。:lgorithmics、Avanon (前RCS)、CCH SWORD,Cura、Interexa、Keane Business Risk Management Solutions (BRMS)、List Group、Methodware、Oracle Reveleus、OpenPages、Paisley (現在はトムソンロイターの関連会社)、SAS Institute
「GORCアプリケーションは企業内で起こっている事を把握するダイナミック・エコシステムとして位置づけられるべきです。やがて、そのエコシステムはより価値のあるものとなり、日々の意思決定に組み込まれるようになるでしょう。特に、リアルタイムでリスクに関連情報を提供するという点で、その価値を発揮します。これは現時点ですべての企業に該当する、というわけではありませんが、オペレーショナルリスクに関する「生」の情報を常に視野にいれておく必要性は増しています」とディンは付け加えています。
本レポートはシリーズ第2編で、オペレーショナル・リスクおよびガバナンス・プラクティスのソリューション市場における最新の需給状況、また、ベンダーと金融機関にもたらす影響ついてテクノロジーとデータの観点から詳細な調査と分析を行っています。
本レポートは19図および18表を含む72ページで構成されています。