中南米における乗合保険代理店の台頭
Abstract
ここ数年、保険の販売方法は大きく進化し、新たな販売チャネルが多数登場しています。インターネットによって新しいプレイヤーが参入し、新たなビジネスモデルを展開して昔ながらの保険会社を圧倒し、今では販売チャネルとして地位を確立しています。
乗合保険代理店はほんの数年前に登場しましたが、現在は中南米の9割の国(20中18カ国)で運営されており、新たに登場した乗合保険代理店のほか、保険代理店やプロデューサーから派生したものもあります。
セレントは、アグリゲーターを興味深い現象として捉えています。銀行窓販、小売業者、その他のオンライン機能との競争において、そこに付加価値が見いだせないとなるとビジネスモデルさえ変化させざるをえくなった実例であるからです。
本レポートでは、中南米でビジネスを展開しているアグリゲーターを幅広い観点で分析し、その乗合型モデルの重要性、背景、アベイラビリティ、提供商品の範囲、プロセス、商品ラインについて考察します。
保険プロデューサーや小売業者、銀行がデジタル化戦略の一環としてアグリゲーターサイトを立ち上げることもありますが、基本的に乗合代理店は彼らと競合する存在です。アグリゲーターサイトは、生来からデジタルであるため、見た目が良くわかりやすい反面、単なる比較サイトに過ぎないため、信頼できる保険アドバイザーとしての役割を満たすことはできません。
「乗合代理店の登場により、保険会社は自分達の戦略を様々な角度から見直す必要に迫られています。保険会社は、自社の戦略的地位と価値提案を実現するにあたって、乗合代理店という新しいチャネルをどのように活用すれば良いのかを検討する必要があるでしょう」とセレント保険グループのアナリストでレポートの共同執筆者であるルイス・チパナは述べています。
「乗合代理店の台頭によって市場の透明性が高まり 、顧客は様々な商品を簡単に比較できるようになりました。保険会社にとっては、ダイレクトチャネルやその他の販売チャネルで付加価値を提供できるか否かが生き残りの分かれ道になるといえます。付加価値を提供できなければ、消費者への直接販売を目指す保険会社は、乗合代理店や他社が提供する低価格、シンプルかつ透明性の高い販路に勝ちを譲らざるをえなくなるでしょう」とセレント保険グループのシニアアナリストでレポートを執筆したホアン・マツィーニは述べています。