バイサイドのポートフォリオ/リスク管理:リスク/リターンを注視し嵐に備える
Abstract
投資家のプライオリティの変化、投資戦略の高度化、世界的な規制強化の動きなどを背景に、投資運用会社はポートフォリオ管理、リスク管理、投資業務のレベルアップを迫られています。セレントの予測では、バイサイドによるポートフォリオおよびリスク管理システムへの投資額は2015年には19億ドルに達する見込みです。
最新レポート「バイサイドのポートフォリオ/リスク管理:リスク/リターンを注視し嵐に備える」は、投資市場とビジネスモデルの幅広い変化がもたらすポートフォリオおよびリスク管理業務の変化、新たなトレンド、影響について分析しています。
投資業界は、集中砲火を浴びているような状況にあります。つまり、①資本、透明性、清算、投資家保護をめぐるコンプライアンス②退職者の動向をめぐる社会経済上の課題③年金・金融サービスの改革④先進国から新興国への富の移行の動き―などが複雑に絡み合った蜘蛛の巣にからめ捕られたような状況にあります。これらに対応するため、投資運用会社(アセットオーナー、マネジャー、サービサー)はより多角化し、より慎重かつ「リスク透明性」の高い投資戦略を打ち出しています。市場参加者はマルチアセット投資の拡大、アルファおよびベータ戦略の均衡化、リスク要因に基づいた投資アプローチ、次世代のスマートベータソリューションの採用などを進めています。
「金融機関は、投資業務の効率性の向上だけでなく、マルチアセット・ポートフォリオ構造とリスク最適化能力を強化することで、基本リスク要因を正確に把握するとともに投資家のセグメントに応じたリスクとリターンの均衡化を図る必要があります。 直近の世界的な金融危機はまさに「嵐(最悪の事態)」です。そして、次の嵐が既にもう近づきつつあるかもしれないのです」と、セレントのリサーチディレクターでレポートを執筆したキュビラス・ディンは述べています。
レポートではポートフォリオおよびリスク管理システムを手がけるベンダーの動向と、それらが外部ソリューションを採用する金融機関に及ぼす影響を明らかにしています。特に、テクノロジーのプライオリティ、投資動向、この分野のベンダー製品の進化に焦点を当てています。レポートで取り上げたベンダーは Axioma、Barclays POINT、ブルームバーグ、DST、IBM Algorithmics、Misys Sophis、MSCI Barra、Northfield、Quantifi、Riskmetrics、S&P Capital IQ、ステートストリート、SunGard APTです。