中南米の保険会社におけるイノベーションの進捗状況
Abstract
コモディティ化が進む中、商品化スピードの向上、販売チャネルや消費者ニーズの多様化などの課題に対応すべく、保険会社は新たな機能を提供するイノベーションの推進を求められています。ビジネスプロセスやシステムの大規模な変革を実行するため、いかに組織を主導すべきなのでしょうか。計画を策定する上で何が「有効」で、その中でのビジネスチャンスはどこにあるのでしょうか。
セレントは過去2年にわたり、保険会社がイノベーションの実現に向けてどのような取り組みを行っているか調査してきました。本レポートは、2014年初めに中南米の保険会社40社を対象に行った調査の結果をまとめました。
同調査は以下の3点を目的として実施しました。
- 戦略上のイノベーションの重要性を評価すること
- イノベーションが保険プロセスにもたらすメリットを明らかにすること
- イノベーションの導入を阻む共通の要因を特定すること
「調査に回答したほぼ全ての保険会社が、イノベーションは戦略上重要または不可欠であるとしています。しかし、ほとんどの保険会社は、保険業界では他の業界に比べてイノベーションにおいて遅れていることを認めています。この分野で他を凌ぐには、やるべきことがあるのは明らかです」と、保険プラクティスのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるマイク・フィッツジェラルドは述べています。
「調査に参加した保険会社は中南米のほぼ全ての主要市場に及んでおり、調査データは、イノベーションに取り組む保険会社の進捗状況を正確に反映したものとなっています」と、レポートの共同執筆者でアナリストのルイス・チパナはコメントしています。
「大多数がイノベーションの重要性を認識しているものの、実際には進んでいません。新しいテクノロジーによってもたらされる機会を生かすには、イノベーションを推進するカルチャーを保険会社のDNAに根付かせることが必要です。そうしなければ、その機会はライバルの手に渡り、脅威となるでしょう」と、シニアアナリストでレポートの共同執筆者であるホアン・マツィーニは述べています。