Samsung Payをはじめとするモバイル決済競争:モバイル・ワールド・コングレスから
The Race for Mobile Payments Is Heating Up
Abstract
2015年は年明けからサムスン、グーグル、ペイパルなどがモバイル決済に関する重大発表を行うなど、華々しいスタートを切りました。「モバイル・ワールド・コングレス」はこうした発表の舞台になっただけでなく、将来の課題をめぐる真剣な議論が交わされ、ビジネスチャンスへの関心もかなりの盛り上がりを見せていました。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | サムスンが発表したSamsung Payとはどのようなものか? |
2 |
モバイル決済にどのような影響を及ぼすか? |
3 | モバイル・ワールド・コングレスでは他にどのようなテーマが取り上げられたか? |
サムスンはモバイル・ワールド・コングレス(MWC)の舞台で新製品「Galaxy S6」と新サービス「Samsung Pay」の投入を発表しました。後者は、先に買収したLoopPay のテクノロジーを利用したサービスです。これと前後して、モバイル決済をめぐる重要な発表がいくつかありました。具体的には、グーグルが新サービス「Google Wallet」と「Android Pay」の内容を明らかにしたほか、ペイパルはPaydiantの買収を発表し、VisaとMasterCardは「ホストカードエミュレーション(HCE)」に基づく決済ソリューションに対する銀行の関心が高まっていると指摘しました。
本レポートはSamsung Payの概要、モバイル決済をめぐる最近の動きや影響、また、MWCで注目を集めた話題やテーマについてまとめています。
「Samsung PayはApple Payとよく比較されます。両者とも携帯電話向けウォレットで、名前も似ています。しかし、Samsung Payと比較するのであれば、アンドロイド上で利用可能な他の決済ソリューションの方がふさわしいでしょう。中でもGoogle Walletと銀行が投入している新たなHCEベースのウォレットが比較対象といえるでしょう。こうした発表が相次いだことは、モバイル決済のエコシステムが、今なお完成したとは言いがたいことを示しています」とセレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジルビナ・バレイシスは述べています。
レポートの最後には、MWCで注目を集めた話題やテーマについての概要、具体的には、コネクテッド・リビング、ウェアラブル、5Gネットワーク、プライバシーおよびデータの保護、サイバーセキュリティなどを紹介しています。
本レポートは24p、8図で構成されています。