アジアのバイサイド・テクノロジー:アジア証券市場における取引システムと電子取引の拡大
Abstract
アジアの投資運用業界は過去10年で飛躍的な成長を遂げ、資産運用残高は2003年の3兆4,000億ドルから2007年には8兆7,000億ドル へと年率13.0%のペースで増加しました。しかし、運用会社の規模はなお小さく、ベンダーソリューションも低価格の製品を選ぶ傾向があります。
世界的な金融危機はバイサイドのテクノロジーベンダーの商機を奪うと同時に、新たなビジネス機会も生み出しています。ボラティリティの管理、リスク管理の強化、営業費用の削減を可能にする製品は売り上げを伸ばしています。しかし、投資顧問会社やヘッジファンドが大きな打撃を受けたほか、新興市場における電子取引の普及見通しにも不透明感が出ています。今後のIT投資拡大を後押しする可能性のある要因としては、①投資運用業界の成長②コンプライアンス強化の動き③電子取引の利用拡大④取引および取引戦略の進歩―などが挙げられます。また、金融危機は一部のテクノロジーベンダーにもビジネスチャンスをもたらしています。
セレントの最新レポート「アジアのバイサイド・テクノロジー:アジア証券市場における取引システムと電子取引の拡大」は、アジアのバイサイドの金融機関が通信および取引執行、コンプライアンスへの準拠、ポートフォリオの管理などを行うために採用したフロントオフィスのテクノロジーに焦点を当てています。レポートは、アジア太平洋地域の先進国(豪州、日本、香港、シンガポール)と途上国(中国、インド)で活動する国内および外資系の投資顧問会社とヘッジファンドを調査の対象としました。
出典:国際取引所連合
「アジアの投資運用業界が成長し、新規プレーヤーの市場参入が続く中で、金融機関は競争力を維持するための策を講じています。中でも先進的なテクノロジーを導入して優位に立とうとする動きが広がっています」と述べるのはオリバー・ワイマンのアナリストでレポートの共同執筆者であるルーシー・チェンです。
本レポートでは、各市場の有力なテクノロジーソリューションベンダーの概要を紹介しています。具体的には、ブルームバーグ、Calypso、Charles River、Fidessa、GL Trade、ITG、Linedata、Murex、サンガード、TradingScreenなどのグローバルプレーヤーと、DIR、Meta-Bit、NRI、Quick、XNET、IRESSなどの国内プレーヤーです。
本レポートは3表と26図を含む全56ページで構成されています。