ウェルスマネジメント業界における市場データ関連ニーズ
Abstract
2010年のウェルスマネジメント業界における市場データ関連投資は前年比5%増の総額12億ドル(約1128億円)に達するとセレントでは予測しています。
セレントの最新レポート「ウェルスマネジメント業界における市場データ関連ニーズ」は、業界における市場データの必要性とその利用方法について概説しています。効率性の向上、確実な投資判断の決定、法令順守、長期的な資産計画および口座管理、新規顧客開拓やビジネスアイディアの構築、顧客とのコミュニケーション促進を行う上で、市場データフィードやソフトウェアといったツールは不可欠になっています。
今回セレントは欧州、北米およびアジアの主要市場のコンテンツプロバイダー、アグリゲーター、エンドユーザーなどに幅広くインタビューを行い、そのビジネスモデル、製品および機能、顧客基盤、最新トレンドおよび今後の計画について調査し、その分析結果をレポートにまとめました。
今回の調査で明らかになったのは主に以下の点です。
- 市場データのプロバイダーは従来のデータ提供という概念を超え、分析ツールやチャート作成といったより進化した機能も提供するようになっています。
- 各社とも全社規模の市場データ戦略を追及しています。
- 市場データターミナルは徐々に消えつつあります。一方、ウェブベースのアドバイザー・ダッシュボードを利用することで低コストの実装、保守管理と迅速なアップデートが可能になります。
- 市場データの成熟度は地域によって異なっており、最も成熟度が高いのは北米と欧州で、アジアのウェルスマネジメント市場は後れをとっています。
- 金融危機のあおりを受けて各社とも予算削減という問題に直面していますが、規制強化が進むなかで、システムの改善を通じてコンプライアンス上の全ての課題に対応することが求められています。
出典:セレント
「金融機関にとっては市場データ関連のコストを削減し、全社規模でデータを効率的に利用しようという動きが高まっていますが、市場データ関連投資全体としてはこの2,3年で拡大するというのが一致した見方です。今後、市場データ関連のテクノロジー投資はエンドユーザーのニーズに合わせたカスタマイズに集中するでしょう」と、セレントのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるイザベラ・フォンセカは述べています。
「一般的な市場データはコモディティ化しており、ここ1年ほど市場データのプロバイダーの間では、全ての情報源を一元化することでウェルスマネジャーのニーズに対応する動きがみられます。今や重要なのは市場データそのものではなく、データに基づく実用的なアドバイスであるといえるでしょう」アナリストで共同執筆者のアリン・レイは述べています。
本レポートは、ウェルスマネジメントのバリューチェーンにおける市場データの価値を理解し、市場参加者を特定し、さらに北米、欧州およびアジアにおける市場データツールのベストプラクティスに焦点を当てることを目的としています。レポートではデータ市場の主要プレーヤーを紹介し、そのソリューションの機能を比較しています。また最後に、ウェルスマネジメントに関するデータ市場の進化についてまとめています。
このレポートは15図と14表を含む60ページで構成されています。