2016年 モデルバンク パート5:キャッシュマネジメントとトレードファイナンス
Abstract
9年目となったセレントのモデルバンク調査は、バンキングにおけるテクノロジーの有効利用に焦点を当て、テクノロジー利用のベストプラクティスを実践している事例を分析し、次の3つの質問への答えを示します。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 銀行のあらゆる業務プロセスを最新のテクノロジーで最適化したら、どうなるか? |
2 |
銀行ITプロジェクトのベストプラクティスとその成果は? |
3 | 受賞プロジェクトから何を学べるか? |
セレントは毎年、銀行におけるテクノロジー活用に関する5~8つのテーマごとに、テクノロジープロジェクトを募集し、数多くの応募プロジェクトの中から各カテゴリー最大4行にモデルバンク・アワードを授与しています。
2016年は7つのカテゴリーでプロジェクトを募集し、18のプロジェクトにアワードを授与しました。7本のモデルバンクレポートで、各カテゴリーの受賞プロジェクトに関するケーススタディを紹介します。
- デジタルバンキング
- オムニチャネル・バンキング
- デジタルペイメントとカード
- コーポレートペイメントとインフラ現代化
- キャッシュマネジメントとトレードファイナンス
- セキュリティー、不正行為、リスク管理
- レガシー/エコシステム・トランスフォーメーション
パート5では、キャッシュマネジメントとトレードファイナンスの分野でアワードを受賞した2つのプロジェクトについて紹介します。
- CIBC:「myClient」、プライシングの管理
- HBL (Habib Bank) :法人向け統合デジタルプラットフォーム
多くの大手グローバル銀行にとって、キャッシュマネジメントとトレードファイナンスは安定した収益源になっているため重要です。これらの業務に伴う信用リスクは低く、必要資本も最小限で済む一方、 顧客の求める商品やサービスは非常に多岐にわたっています。
こうした中核業務で戦略的にテクノロジーを採用することは強力な差別化要因となり、市場シェアの拡大につながります。今回この分野でアワードを受賞した銀行は、経営陣の優れたビジョンと有力な金融ソフトウェアプロバイダーとの提携を通じて商品のイノベーションを成功させました。
「今年の応募プロジェクトは非常に多様性に富んでいましたが、いずれのケースも 定量的・定性的の両面で大きな成果を上げていました。デジタル変換、テクノロジーのイノベーション、レガシーシステムの刷新などプロジェクトのテーマは違っても、結果的に最も高い成果を上げたのは顧客経験の向上に焦点を絞ったプロジェクトでした」と銀行プラクティスのシニア・アナリストでレポートを執筆したパトリシア・ハインズは述べています。
2015 年末までに応募があったプロジェクトから、セレント銀行チームがビジネス成果、イノベーションのレベル、テクノロジーまたは実装の卓越性に基づいて分析 し、受賞プロジェクトを選定しました。各レポート内でビジネスドライバー、ソリューション、成功指標、今後の計画など、詳しく紹介しています。
本レポートは26p、2つのアワードプロジェクトのケースタディを紹介し、4表と2図で構成されています。