初心者向け市場の幕開け?
2021/08/02
個人投資家の動向が証券業務の最新化に与える影響
Abstract
「ジェネレーションインベスター」とは、今回のパンデミックの間に証券口座を開設した個人投資家の急増を説明するために、Charles Schwabが作り出した造語である。こうした個人投資家の急増は、最近の市場の変動に乗じて利益を上げようとする短期投資家の増加という一時的な現象にとどまらない。マクロ経済要因、人口動態要因、およびテクノロジー関連の要因が重なっていることから、このトレンドは持続可能であり、今後も新規投資家は着実に増加すると考えられている。本レポートでは、投資のしやすさ、パラダイムシフト、およびマス富裕層の参加拡大など、個人投資家の増加を推進する要因を探る。
個人投資がより手軽になり、また投資家の平均年齢も低下していることから、金融機関は富裕層以外の顧客にも積極的にターゲットを広げている。それを受け、こうした機会から恩恵を受けようと、個人投資家プラットフォームは積極的に最新化を進める段階に入った。こうしたシフトの結果、オンライン証券会社は、顧客に選択肢を提供するだけでなく、顧客の投資条件の変化に合ったサービスを提供するために、証券サービス全領域のサービス拡大に注力する必要性が生じている。本レポートでは、個人投資が変化している理由と、そうした変化に対応するためにオンライン証券会社が現在進めている取り組みについて考察する。