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証券業界のITとビジネスのトップトレンド

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2015/02/23

Abstract

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 資本市場に参加している金融機関、またこの業界構造に大きな影響を及ぼしているのは何か?

2

ウェルスマネジメントを手掛ける金融機関にとって、今何が最優先課題か?
3 リスク管理に関して、金融機関が近い将来注力すべき戦略上の課題とは何か?

証券業界では売買高の低迷、競争の激化、絶え間ない規制強化の動きに金融機関が翻弄される状況が続いています。金融機関は、目先のニーズに合わせて短期的な対策を講じる手法から、長期的視野に基づいて業務およびテクノロジー上の戦略を見直し、刷新していく必要があるでしょう。

本レポートは、業界の最新トレンドを明らかにした上で、急速に進化する事業環境に市場参加者がいかに対応し、競争力を維持するべきかを論じています。今や、テクノロジーと業務の両面からビジネスを十分に考慮してからでなければ、ビジネス上の意思決定は難しくなっています。テクノロジーおよびサービスプロバイダーは共有サービス、ホワイトラベル/ユーティリティ・ソリューションといった新たなモデルの開発を進めており、これらは証券業界の変革を次の段階に押し上げるとみられます。

取引業務の手数料収入が減少する中で、ウェルスマネジメント業務の重要性は増しています。既存/潜在顧客は複数のチャネルを使って情報収集や取引執行を行うようになっているため、デジタル化やチャネル統合は証券業界にとって不可欠です。

金融機関のリスク管理体制はいまだ十分とはいえず、規制の細分化や店頭取引の改革に伴う構造的な変化に対応しきれていません。大部分の金融機関は、断片的で一時的な措置をとっていますが、より戦略的なスタンスで、業務プロセスのあらゆる段階における取引およびリスク管理のワークフローを改善すべきでしょう。

「ここ2~3年ほど金融機関はもっぱら目先の課題に注力せざるを得ない状況にありましたが、2020年に向けて自らが業界で果たすべき役割を見据え、中長期的な計画に取り組む時がきています。その一環として、市場に「何を」「いかに」提供していくか、価値提案を明確にした上で、コストを抑制し、効率性を向上させるためのテクノロジーと業務モデルの選択が重要となります」とセレント証券グループのアナリストでレポートを執筆したアリン・レイは述べています。

本レポートは、金融業界全般のITトレンドとその影響に関するシリーズの1つで、証券業界に焦点を当てています。セレントは、資本市場(バイサイド、セルサイド、資本市場のインフラプロバイダー)、個人向けウェルスマネジメント、財務およびリスク管理を含む金融業界の価値連鎖に属する各セクター固有のトレンドを明らかにしています。セクターごとに変革のドライバーは何かを特定した上で、それが業界の参加者に及ぼす影響を検証し、変化に対応するためのIT面からみた解決法を提案しています。