中国の銀行におけるクラウド戦略:イノベーションのチャンス
Abstract
中国では大手の株式銀行、都市銀行、地方銀行を含め、幅広い銀行がSaaSベースのシステムを導入しています。また、クラウドによって可能となるビジネスモデルも生まれています。
セレントの最新レポート「中国の銀行におけるクラウド戦略:イノベーションのチャンス」は、中国の銀行におけるクラウドコンピューティングの利用状況、クラウドベンダーの戦略、クラウドによるイノベーションについて取り上げています。
中国の銀行によるクラウド利用の実例は数多くみられます。Digital China Financialは農村部の銀行市場への進出を視野に、既に西安にデータセンターを開設しています。Shandong Provincial City Commercial Banks Allianceはグループ傘下の銀行向けに、 単一のマルチバンク統合業務システムを開発しました。また、AliyunとAlipayはクラウド・コンピューティング・サービスを共同で提供する準備を進めています。China UnionPay Dataも不正発見、リスク管理、ホスティング、コールセンターなど、SaaSベースのサービスの拡大を計画しています。
「現行のクラウドコンピューティングサービスの多くは、共有システムを使うことでコストの削減を図るものです。将来的に、銀行は全体的な業務コストを削減するため、ビジネスプロセスやハードウェアも共有する可能性があります。例えば、支店やバックオフィス機能の共有が考えられ、そうなれば、A銀行の支店が混んでいるなら、B銀行で取引する、ということができるようになります」と、セレントのアジア金融サービスグループのアナリストでレポートを執筆したフア・ジャンは述べています。
レポートでは中国のクラウドコンピューティング市場の概要を明らかにし、中国の銀行におけるクラウド・コンピューティングの実例を紹介するほか、ベンダーの戦略についても分析しています。